包括協定を結んだジャパンエンターテイメントの加藤CEO（左）とAPUの米山学長（21日、福岡市で）

　沖縄本島北部で2025年に開業予定のテーマパーク「JUNGLIA」を運営するジャパンエンターテイメント（沖縄県名護市）は21日、立命館アジア太平洋大（APU、大分県別府市）と観光人材の育成に向けた包括協定を結んだ。就業体験の受け入れを柱としており、実践を通じて観光産業の発展を図る。 【イメージ図】「ジャングリア」の全体のイメージ

　具体的には、学生がパーク内のレストランやアトラクションで3～4か月にわたって働きながら施設運営のノウハウや経営戦略を学び、給与の支払いも受ける。APUは就業体験を学業の一環と位置付け、単位として認める。

　同社は繁忙期の人手確保にもつながるとみており、昨年には名桜大（名護市）とも協定を結んだ。受け入れる学生数は25年度に約20人、26年度以降は年100人規模を見込んでおり、周辺のホテルとも連携して受け入れ先や研修内容の拡充を図る。

　加藤健史CEO（最高経営責任者）は同日の記者会見で、「観光を学ぶなら沖縄だというブランドをつくり、受け入れる大学を増やしたい」と述べ、APUの米山裕学長は「学生は国際的なエンターテインメント産業の経験を積んでほしい」と期待を寄せた。

　ジャングリアは、今帰仁村と名護市にまたがるゴルフ場跡地（約120ヘクタール）のうち60ヘクタールを活用し、体験型のアトラクションや飲食施設などを備える。

イメージ通りに建設進む

　ジャパンエンターテイメントの加藤健史CEOに、計画の進展を聞いた。

　――現在の開発状況は。

　「都会の日常では体験できない沖縄の大自然を舞台に、興奮と贅沢、開放感を体験できる施設を目指している。鳥の巣をイメージしたレストランから見える景色は、今までにないものだ。現状ではイメージ通りに建設が進んでいる」

　――沖縄の観光業に与える効果をどう考えるか。

　「これまで（観光客が）素通りだったエリアだが、我々の施設ができれば半日滞在できる。経済波及効果は大きい。加えて開業予定地は全体の半分であり、拡張の余地がある。（将来的に）第2、第3の開発計画が進んでいくだろう」