【買取】大掃除に出てきた着物が二束三文! 国宝認定されている作家の物なのになぜですか?
和装の中には、100万円をこえるような高級着物が売られています。人間国宝の作家が手掛けた着物では、数十万円や100万円を超えた査定が期待できるケースもあります。 【解説資料4枚】着物買取が二束三文になる要因を要約でサクッとみる しかし、そんな高級着物でも買取に出すと、数十円~数千円程度にしかならないケースが少なくありません。 二束三文の買取査定にしかならない要因には、どのようなものがあるのでしょうか。 ※編集部注:外部配信先では ハイパーリンクや 図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
高級な着物が二束三文の買取査定になる要因
●1.きちんとメンテナンスをしていない 着物の状態は、買取価格を決める大きなポイントです。着物の状態を大きく左右するのは、定期的なメンテナンスの有無です。 着物のメンテナンスは、洋服よりも複雑。間違ったケアをしてしまうと、状態が劣化し大きく査定額を下げてしまいます。着物の状態を保つには、以下のポイントに注意してみてください。 着用後は汚れを落として陰干し まず、着用後はブラッシングをして汚れを落とし、すぐに風通しのいい場所で陰干しにする必要があります。汗や皮脂を放置してしまうと、シミやカビの原因になってしまいます。 汚れがある場合は、そのまま保管したりせずに、必ず落としてからしまいましょう。自分で汚れを落とせないなら、専門のクリーニングも検討してみてください。 しわを伸ばす また保管時は、シワができないように伸ばしてしまってください。着物の折シワは、放置することで定着してしまいます。 たとう紙に包んで桐箱などにしまう 着物専用のハンガーに吊したり、たとう紙に包んで桐箱や桐タンスにしまったりするのがおすすめです。たとう紙は定期的に変えましょう。また、防虫剤などをいれて、色あせが起こらならないよう直射日光を避けて保管しましょう。 年に数回は虫干しする 室温管理に注意して、着用しない時も定期的に風通しをしてください。年に数回、虫干しするといいとされています。時期は湿気の少ない時期、2月、8月、11月頃が推奨されています。 こうしたメンテナンスをすることで、着物をいい状態で保管することが可能です。逆になにも考えずに保管しているだけでは、どんな高級着物でも劣化してしまいます。 ●2.着物を詰め込んでしまっている 着物は詰め込んで保管しないよう注意しましょう。 着物を詰め込んでシワができてしまうと、定着してしまいなかなか取れなくなってしまいます。 場所を取ってしまいますが、ゆとりを持って一枚ずつ保管したいものです。 ●3.着物が小さい 親や祖父母から譲り受けたような着物は、サイズが小さい可能性があります。 古い着物になるほど、現代人の身長に合わない可能性が高いです。着物は、丈の短いものよりも長いもののほうが買取需要は高く、査定額も高くなります。 そのため、反物の方が売れるというケースもなくはありません。 ●4.柄がトレンドではない 洋服に流行り廃りがあるように、着物にも流行があります。特に着物の柄が今のトレンドに合わないものは、需要が少なくなります。そのため高級な着物であっても、高く買取してもらうことができません。 ただし「古典柄イコール古くて人気がない」というわけではありません。 古典柄とは、長年に渡って受け継がれてきた伝統的な柄のことです。 日本独特のモチーフを使用しており、縁起のいい「吉祥文様」や七宝、小槌などの「宝尽くし」などが古典柄の代表です。 これらはトレンドに左右されにくい柄なので、査定にマイナスになりにくいと考えられます。 ●5.需要が少ない 着物は全体的に見ると、残念ながら需要が少ないジャンル。 振袖や喪服は、高級な着物が多いものの需要が少ないために購入時の価格と比較してずっと安い買取額になってしまいます。 振袖は毎年需要があるものの、その年のトレンドを意識したものが人気。柄だけでなく、お大振り、中振りなども重要です。 流行の振袖がレンタルできることもあり、わざわざ中古の振袖を選ぶ若者は多くありません。 喪服もまた、なんとなく中古品を避ける人が多いため、買取不可の業者もあります。 留袖などは、家紋入りが多いこともあり、中古市場では人気があるとは言えません。 訪問着などは人気があるため作家ものなどの高級訪問着は需要が高め。他の高級着物と比較すると、買取額も期待できるでしょう。 ●6.査定員に足元を見られている 着物の価値は、知識がない人にはわかりにくいもの。査定員の足元を見られ査定額を低く見積もられている可能性もあります。 譲り受けた着物やあまり着物に興味がないと、相場より安い査定額になっても気が付きにくいのが現実です。 ●7.査定員に十分な知識がない また、反対に査定員に知識がないために安い価格で買取されてしまうこともあります。 着物の買取経験と知識が豊富な買取業者を選ぶとともに、自分でも相場を調べてみたり、複数社に査定依頼をしてみたりすることをおすすめします。
着物の状態・需要・知識が買取査定では重要
着物買取査定では、元々の金額以上に着物の状態・需要・知識が非常に重要です。 どんなに高級な着物であっても、保管状態が悪くシミや汚れ、シワや色褪せがある状態では高く買取してもらうことはできません。 また状態がいい高級着物でも、現在の需要がなければ査定額は安くなってしまいます。 却する消費者・査定員ともに着物に対する知識が必要な現状があります。 査定額を鵜呑みにするのではなく、相場を知っておくことで正しい金額で買取してもらえる可能性もあります。もちろんそれには、査定員が着物の正しい価値を見抜けることが前提です。 高級着物を売却する時は、状態・需要・知識の3つのポイントを意識しましょう。
青木 絵莉華