【オーストラリア】留学生数制限で40億$損失、今後も拡大へ
オーストラリア政府が2025年1月から、新規留学生数を27万人に制限する計画の施行を目指す中、すでに過去半年間の経済への打撃が40億豪ドル(約3,920億円)に上っていることが業界団体ユニバーシティーズ・オーストラリアの調べで分かった。今後も損失が拡大すると見られており、同計画による経済への打撃について警告した。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が報じた。 この計画を巡っては、経済的な損失が大きいと激しく批判されている。すでに、23年12月から24年6月の間に発給された査証(ビザ)の数は前年同期と比べ5万5,372件減少し、約3割減少している。 ユニバーシティーズ・オーストラリアによると、40億豪ドルのうち、ビクトリア(VIC)州とニューサウスウェールズ州は今年上半期にそれぞれ10億豪ドル以上の損害を受け、その他の州でも数千万豪ドル以上の損害を受けた。 そのうち、教育が州最大の輸出産業であるVIC州は昨年148億豪ドルの収入を生み出し、6万3,000人以上の雇用を支えている。同州のパラス財務相はAFRに対し、「手遅れになる前に連邦政府が計画を見直し、州政府や業界とよりよく協議する必要があることは明らかだ」と語った。