吉田正尚、3Aでストライク判定“ロボ審判”初体験…メジャーでも26年以降導入予定「審判は色々大変」
◆マイナーリーグ(3A) ウースター5―8ロチェスター(9日、米マサチューセッツ州ウースター=ポーラーパーク) 左親指痛で負傷者リスト入りしているレッドソックスの吉田正尚外野手が9日(日本時間10日)、傘下の3Aウースターで、ロチェスター戦に「2番・DH」で先発。フル出場し、3打数無安打1得点1四球2三振だった。前日に続くリハビリ・アサインメント2試合の打率は1割4分3厘。また、同チームの上沢直之投手は出番がなかった。 3Aならではの初体験だった。2死一塁で迎えた8回の第4打席。吉田が低めの直球を見逃し、カウントが3-0となると、マウンドの2番手右腕ウィリンハムが、審判の判定にチャレンジ。スコアボードに映像が映し出され、改めてボールが確認されると、観衆は大喜びだった。吉田は次のボールを見極め、四球で出塁し、続くヒッキーも四球を選んで満塁。続くヨーキに本塁打が飛び出し、ホームに生還した吉田は、笑顔でハイタッチをかわした。 メジャーでは2026年以降の導入が検討されている“ロボット審判”が、今季から導入された3A。球場に設置された機器で投球のコースを計測し、平日の試合はロボットが、週末の試合は球審がストライクを判定する。この日は日曜日で人間が判定する日。不服があれば、投手、打者も共にチャレンジが可能だ。その都度、電光掲示板の映像で確認され、ファンと共に判定の行方を見守る形となっている。逆に機械判定の平日は一切のチャレンジができない。 「(観客は)盛り上がっていましたけど、審判は色々大変だと思いました。それ(誤審)も含めて野球だと思っていたけれど、ミスはミスという感じで、野球も変わっていくかもしれない。退場とかが、なくなったりするかもしれないし。ただ、自分なりのゾーンというのは、把握しておいたほうがいいと思いますね」と初体験を振り返った吉田。この日は1880年から3年間、ナ・リーグに所属した「ウースター・ルビーレッグス」の復刻ユニを着用。首元に赤いタイ、帽子はトップが平らのワークキャップ仕様だった。 第1打席は外角へのカットボールで空振り三振、無死一二塁で迎えた第2打席は際どい外角高めの直球で見逃し三振に倒れたが、「ギリギリ、ストライクだった」と、チャレンジはしなかった。3打席は初球高めの直球でニゴロ。「コースで感覚の違いもありましたけど、あとは、その埋め合わせと思います。(左親指は)大丈夫。問題なく普通にこなせて、無事に終わった」。敵地ホワイトソックス戦のシカゴ遠征に帯同せず、3Aで2試合出場した。球団公式サイトによるとメジャー復帰は早くても14日(同15日)以降になる見込み。 吉田は4月29日に左親指付け根を痛め、渡米後初の負傷者リスト入り。先月29日(同30日)からスイングを再開。今月1日に負傷後初のフリー打撃を行い、8日に当地でリハビリ出場し、4打数1安打だった。
報知新聞社