ガンディーニの魅力とは? 歴史的名車の数々で振り返る
ランボルギーニ「カウンタック」やランチア「ストラトス」など、スーパーカーのデザイナーとして私たちに夢を与えてくれたイタリアのカーデザイナー、マルチェロ・ガンディーニが2024年3月に亡くなった。セダンやハッチバックなども手掛けたガンディーニの多才ぶりと魅力を代表作とともに振り返ってみよう。 【写真】ガンディーニの名を知らしめたランボルギーニ「ミウラ」を写真で見る
■ミウラで鮮烈な印象を残す マルチェロ・ガンディーニは1938年にイタリアのトリノで生まれた。オーケストラの指揮者だった父親は息子をピアニストにしたかったらしいが、彼は工業デザインに興味を持ち、音楽学校を卒業するとフリーのデザイナーとして活動を始めた。 自動車業界に入ったのは1965年のこと。当時のイタリアでピニンファリーナと並ぶ名門カロッツェリア(車体架装工房)だったベルトーネに入社し、チーフデザイナーに就任した。 ベルトーネで彼の前にチーフデザイナーを務めていたのは、あのジョルジェット・ジウジアーロだった。ジウジアーロが同じイタリアのカロッツェリアであるギアに移籍したために、チーフを任されることになったようだ。 彼が最初に手がけたのが、ランボルギーニ初のミッドシップエンジンのスポーツカーである「ミウラ」(1966年発表)だった。インパクトのある車種のデザインを担当したことで、ガンディーニの名前は一躍、自動車業界に知れ渡った。
■カウンタックとアルファロメオに共通点? 続いて担当したのはアルファロメオのコンセプトカーだ。カナダのモントリオールで開催される万国博覧会に出展するための1台である。こちらも話題になり、後に「モントリオール」という車名で市販に移された。
2台ともヘッドライトのアクションが斬新で、スタイリングは前後のフェンダーラインに豊かな曲面を使っている。フォルムそのものは1960年代のスポーツカーらしいものだった。 その流れを良い意味で断ち切ったのが、1971年にプロトタイプが発表され、3年後に市販されたランボルギーニ「カウンタック」だ。