「ラ・マンチャの男」製作発表 幸四郎がサプライズ熱唱
「ラ・マンチャの男」6年ぶりとなる大阪公演を前に松本幸四郎と霧矢大夢が出席した製作発表が行われた THE PAGE大阪
幸四郎ドン・キホーテの「遍歴の旅」が再び、大阪から始まる──。ミュージカル「ラ・マンチャの男」が9月2日~21日、シアターBRAVA!(大阪市中央区)で上演される。大阪では6年ぶりの公演。1969年の初演以来1207回、主役のセルバンテス/ドン・キホーテを演じ続けている松本幸四郎と、松たか子に代わり今公演からヒロインのアルドンザ役に抜擢された大阪出身で元宝塚トップの霧矢大夢が出席した製作発表が19日、同区のホテルで行われ、幸四郎がサプライズで熱唱するなど心意気を表した。
幸四郎、会見後に「見果てぬ夢」サプライズ熱唱
会見後には、幸四郎が、ドン・キホーテがアルドンザに向けて歌う代表ナンバー「見果てぬ夢(The Impossible Dream(The Quest))」を「ブロードウェイで演じたように」と英語でサプライズ披露。「(46年も)上演を続けてこられたことが嬉しい。何度このミュージカルに救われたか。人生は楽しいことばかりではない。悲しみや苦しみもある。この作品でその悲しみを希望に、苦しみを勇気に変えてもらえるように、心の熱い大阪で熱いラ・マンチャを演じたいと思います。今、松岡修造さんが日本にいるので気温が上がっていますが、9月はラ・マンチャで大阪をさらに1、2度高くしたいと思います」と、ユーモアたっぷりに意気込みを語った。 幸四郎のミュージカルデビューは実は大阪。1965年4月、市川染五郎(六代目)と名乗っていた22歳のとき、梅田コマ劇場(現在の梅田芸術劇場)で公演された「王様と私」で、歌舞伎だけでなくミュージカルの道も歩み出した。「(初めてのミュージカルを)宝塚の演出家の方(内海重典氏)にほめていただいた。そのおかげで今の幸四郎がある」という。 「ラ・マンチャの男」との出会いはそれから4年後の1969年。翌年の1970年には27歳で日本人として初めてブロードウェイで主演し、英語でセルバンテス/ドン・キホーテを演じた。近年では日本版の演出アレンジも自身が手がけている。