「小泉進次郎首相」誕生へ森氏や菅氏が動くワケ…「自民党をぶっ壊す」の小泉旋風再来はあるのか
これまで旧安倍派への影響力を背景に、岸田首相の「相談役」を買って出ていた森氏の豹変は「権力の源泉だった旧安倍派が、裏金事件でバラバラとなり、このまま総裁選に突入すれば他陣営の“草刈り場”と化し、自らの影響力も消滅してしまうことへの危機感から」(周辺)とみられている。そこで森氏は、「40人でも50人でもいいから、旧安倍派を塊として維持したい。そのためには旧安倍派の総裁候補として進次郎氏を担ぐしかないと考えた」(政治ジャーナリスト)とされる。ただ、こうした森氏の動きには、党内から「老害批判」も相次ぐ。
さらに、「旧安倍派の議員たちが進次郎氏擁立でまとまるのか」(自民長老)という点も問題視されている。というのも「多くの議員は『反岸田』ではまとまるが、進次郎氏支持でまとまるとは思えない。支援する議員はいても、旧安倍派と無関係な形になるはず」(旧安倍派関係者)との見方が支配的だからだ。 ■「小泉」でキングメーカー争いの主導権狙う菅氏 その一方で、森氏も含めた党長老たちのキングメーカー争いの渦中にあるとされる菅氏も、同じ神奈川県選出で小泉氏の後見役を自任してきただけに、周辺にも「衆院選をにらめば、選択肢は小泉氏しかない」と漏らしているとされる。
そもそも菅氏は、「小泉、石破、河野のいわゆる『小石河トリオ』の後見役」(側近)だっただけに、「今回のように、トリオがそれぞれ総裁選出馬の意思を示した場合、誰を選ぶかでキングメーカーとしての“資格”が問われる」(政治ジャーナリスト)ことになる。だからこそ「自分より当選回数の多い石破氏、当選同期の河野氏より、若手が期待する43歳の小泉氏を担ぐことで、総裁選の主導権を握ろうとするはず」(同)との見方が広がる。
小泉氏は父の秘書を経て、自民党が政権を追われる惨敗を喫した2009年衆院選で初当選。その後、党青年局長や筆頭副幹事長などを経て、38歳だった2019年に第2次安倍政権の環境相として初入閣し、後継の菅政権でも再任されて、「未来の首相候補」としての地位を固めた。もちろん、初当選時から抜群の知名度を誇ってきたこともあり、最近の各種世論調査の「次の首相にふさわしい政治家」でもトップスリーの常連だ。 ■「すべては自分で決めるのは当たり前」と強調