「汗をかくとかゆい！」 皮膚科医が解説、かゆみを抑える効果的な“汗ケア方法”
頭皮のかゆみは蒸れが原因
──夏場に頭皮がかゆくなるのも、バリア機能の低下が原因ですか？ 花房先生：頭皮の場合もバリア機能の低下も一因ですが、髪の毛によって汗が頭皮で止まり、蒸れているのが一番の原因だと思います。 ──頭皮の場合も保湿をしたほうがいいのでしょうか？ 花房先生：頭皮に保湿ローションをつける人もいますが、夏場に乾燥していることはあまりないので、保湿ローションはあまりおすすめしません。しっかりシャンプーをしたり、頻繁に汗を洗い流すようにしたがいいでしょう。かゆくてフケや湿疹ができている場合は、早めに皮膚科を受診してください。ニキビが原因でかゆみが出ている場合もあり、その際は治療法が異なりますので、やはり皮膚科で診てもらうのがいいかもしれませんね
あせもは汗がうまく排出されないことでできる皮膚の炎症
──汗によるかゆみとして「あせも」が出てしまう可能性もありますよね。あせもはどうしてできるのですか？ 花房先生：大量の汗をかくと、汗菅という汗が出る出口がふさがってしまい、うまく排出されません。そのため汗が皮膚の中に溜まり、炎症を起こしてしまいます。汗をたくさんかく場所や、首のように皮が折り重なっていて、汗が溜まりやすい部分によくできます。できたばかりの段階では白や半透明なブツブツで、それほどかゆみはありません。それが赤みを帯びてくるとかゆくなります。できて数時間程度で悪化するため、気づかないうちにできていた……なんてこともあります。皮膚がデリケートな子どもがなりやすい皮膚疾患として知られていますが、大人でもなる人は多いですよ。 ──あせもができてしまったら、どのようにケアすればいいですか？ 花房先生：軽症の場合は、乳液や保湿ローションで保湿してあげるだけで大丈夫です。ひどくなってしまった場合は、皮膚科を受診し、ステロイドを使って治療しなければいけません。 ──あせもができないようにする方法はありますか？ 花房先生：汗をかきやすい季節は、朝にシャワーを浴びるのがおすすめです。お風呂では汗が溜まりやすい首をしっかり洗うことも忘れずに。汗をかいたら服を着替えるのもいいですし、服の素材は汗を吸い取りやすいコットンを選ぶといいでしょう。また、ベッドシーツをこまめに変えたり、寝具を干すこともあせも予防になりますよ。
【Profile】はなふさ皮膚科 理事長 花房火月（はなふさ ひづき）先生
皮膚科医、2006年東京大学医学部医学科卒業。癌研究会有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部付属病院皮膚科・皮膚光レーザー科の助教授に。2011年に三鷹はなふさ皮膚科を開設。その後、新座、国分寺、久我山、志木、大宮、朝霧台、池袋、新宿にクリニックを開院。アトピーやかゆみなどの保険治療はもちろん、手術、美容施術など、皮膚科医療サービスを幅広く提供する。知識の豊富さから、メディアの取材も多数。
