石破政権まさかの「低支持率ショック」 「国民人気は高い」と思われていたのにいったい何があったのか
要するに総裁選初出馬から16年を経て、念願の総理総裁になったものの、石破首相は政策についても、仲間づくりについても、ほとんど準備をしていなかったということになる。 そもそも総裁就任と同時に、株価が大暴落。これが弱気の始まりだと思われるが、石破首相が目指す国民の「納得と共感」を得るためには数々の試練を潜り抜けなくてはいけない。 ■注目される財政政策 石破氏自身は財政再建派だが、まずはデフレ脱却のために増税路線を封印すべきではないだろうか。それには国が金を吸収するのではなく、むしろ民から民へ金をまわす施策を考える必要がある。
石破首相は総裁選の最中に、金融所得課税増税や法人税増税を口にしたが、もしそうした直接税を増税するのなら、消費税など間接税引き下げの議論があってもいい。 実際に消費税の税収は2004年度予算で23.8兆円にものぼり、過去最高額となっている。減税により消費が喚起されれば、大きく減じる危険もない。 すでに「短命政権」との声も出ている石破政権だが、たとえ党内基盤は弱くても、国民の支持があれば存続できる。そのためには各界からの優秀なブレーンとともに、石破首相が「聞く耳」を広く持つことも必要だろう。
安積 明子 :ジャーナリスト