石破政権まさかの「低支持率ショック」 「国民人気は高い」と思われていたのにいったい何があったのか
実際には石破首相が勝利したものの、党内基盤が弱い石破首相は「早期解散」の動きに抗することができなかった。また裏金議員の処遇についても総裁選で宣言したような措置はとれず、「原則公認」と後退した。しかし世論はそれでは納得できない。5日夜に自民党本部で森山氏や小泉氏が集まり、能登の被災地視察から戻ってきた石破首相も合流した。 そして翌6日午後、石破首相は党員資格停止処分を受けた議員、および役職停止中で、政倫審で説明していない議員を非公認とするとともに、説明責任を果たさず地元の理解が得られていない議員についても公認しないことを発表した。
同時に処分を受けなかった議員など40人については選挙区での公認を認めるが、比例重複は認めないことも決定。選挙基盤が弱い議員にとっては厳しい措置となった。 風を変えたのは選対委員長の小泉氏だと言われる。小泉氏は同日午後、東京・江東区で行われた街頭演説会で「自民党が自らに鋭いメスを入れ、失った信頼を再び築き上げる覚悟を持って国民と向き合う選挙にしなければならない」と訴えた。 ■「絵に描いた餅」状態になっていないか
それでも怒りに震える国民にとっては、物足りない処分だろう。第一、石破首相の行動に覚悟が見えないのだ。 その1つが10月4日に発表された内閣の布陣で、加藤勝信財務相や平将明デジタル相にはそれなりの方向性が見えるものの、全体的には何をアピールしているのかが不明だ。だいたい「若者・女性の機会を守る」を含む5つの「守る」を石破首相が宣言していながら、女性閣僚がたった2人では”有言不実行”といえまいか。 また、総裁選投票日にアメリカの保守系シンクタンク、ハドソン研究所のホームページに掲載された「日本の外交政策の将来」と題した寄稿では、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の設立や、日米安保条約、日米地位協定の改定が提唱されたが、多くの専門家に一笑に付されている。そしてこれらは「軍事オタク」として知られる石破首相の目玉政策とされるべきものだったにもかかわらず、所信表明では一切触れられていない。