「宇多田ヒカル、椎名林檎らが登場した90年代後半と重なる」今の音楽シーンに感じる攻めの姿勢を、Mummy-Dが語る
今の音楽は90年代後半の攻めの姿勢を感じる
Mummy-Dは他にも、最近よく聴くアーティストとして藤井 風やKing Gnuの名前を挙げ、どちらも自身の子どもの影響だと明かす。 Mummy-D:うちの息子がギターを始めて、King Gnuばっかり弾いてたりして。それで、カッコいいなって。 クリス:息子さんはヒップホップは通らなかったんですか? Mummy-D:ライブとかはしょっちゅう来てるし、自分がやってる音楽も気に入ってくれてるんだけど、俺はそこじゃない、みたいな感じで。ギターがすごく好きみたいですね。 クリスは「藤井 風もKing Gnuも音楽IQが高い」と言うと、Mummy-Dも同調。「音楽シーンってすごいね。やっぱり出てくるんだな」と彼らの登場に驚きを隠せない様子。 Mummy-D:藤井 風さんはもうレベルが違う。本当に30年に1人みたいな人がちゃんと出てくるんだなって。 クリス:30年で無数に出てきてるって感じで。海外では今K-POPに注目しているけど、アニソンとか、美大や音大を出てる人とか、コード進行のアレンジが実はものすごい複雑で、3分の間でいろんな世界観を詰め込まなきゃいけないじゃないですか。すごく荒技の作曲論みたいなのがあって。海外のYouTubeなんか見るとみんな解析してるんですよ。すごいことをこの人たちはやってると。普通はこんな展開はしないんだけど短い間にいろんな展開を入れるから、そういうところで日本のソングライターは長けてるんじゃないかって。 Mummy-D:アニソンとかボカロから来てるのかな。 クリス:YOASOBIの『アイドル』なんかはすごい曲じゃないですか。 Mummy-D:「サビで転調したよ!」って(笑)。転調は分かるけどサビかよって。90年代後半くらいの宇多田ヒカルさんとか椎名林檎さんとか、m-floとかUAさんとかが出てきた頃の攻めの姿勢っていうか、そのときと同じようなものを最近の日本のドメスティックなアーティストに感じますね。