「宇多田ヒカル、椎名林檎らが登場した90年代後半と重なる」今の音楽シーンに感じる攻めの姿勢を、Mummy-Dが語る
ラッパー、プロデューサーのMummy-Dが、最近気になるアーティストや若手ヒップホップに思うこと、初のソロアルバムなどについて語った。 Mummy-Dが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組。オンエアは3月9日(土)。 この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。Mummy-Dはお手製の「チリコンカン」を持参し、ビールとともに楽しんだ。 Mummy-Dは初となるソロアルバム『Bars of My Life』を3月13日(水)にリリース。
最近は日本のアーティストの曲を聴いている
今年でデビュー35周年を迎えるRHYMESTERは先日、17年ぶりとなる日本武道館公演を開催。「1回目は気負い過ぎちゃって3時間半以上やっちゃって大変なことになった」と当時を振り返りながら、「今回はツアーの東京ファイナルって位置付けだったから、前回より肩の力を抜いて軽くやろうという感じだったけど、結局武道館にのまれた」と語る。 Mummy-D:やっぱりタマネギ(日本武道館)の下に行くと、謎のタマネギパワーが来ちゃうって言うか、特殊な場所ですよね。 公演当日は、ゲストで岡村靖幸、横山 剣&スモーキー・テツニ(CRAZY KEN BAND)、スチャダラパー、SOIL&"PIMP"SESSIONS、JQ(Nulbarich)、hy4_4yh、Masta Simon(Mighty Crown)、Reiが登場した。 クリス:世代もジャンルもいろいろですよね。 Mummy-D:こんなメンツが集まる場所ってないと思いますね。 クリス:いい時間を過ごせたわけですよね。 Mummy-D:そうですね。(日本武道館で)2回できると思いませんでしたからね。 14年ぶりにこの番組には登場したMummy-Dにクリスは「その間の音楽的な発見は?」と質問した。 Mummy-D:家で音楽を聴き始めちゃうと仕事モードになっちゃうから、リラックスしたいときは無音なんですけど、最近音楽を聴く場所はジムが多くて。ウエイトのときはヒップホップを聴いてるんですけど、走るときにはJ-POPとかの最新ヒットのプレイリストとか聴くんですよ。 クリス:へえ。 Mummy-D:なんでかって言うと、走るのがつらいから、いろんな歌詞とか「どんなことを歌ってるんだろう?」っていう情報が多いほうが早く時間が過ぎていくから(笑)。あとめちゃくちゃいろんなジャンルの音楽が出てくるから。急にアイドルものがきたりとか、そういうのが面白くて。今はUSのヒップホップとかより日本のアーティストの曲を聴いてるほうがすごくインスピレーションがわきますね。 クリス:J-POPだとどんな人を聴いてるんですか? Mummy-D:坂本慎太郎さんがすごく好きで。サブスクで聴くようになってどんなものにでも手を出すようになったのがデカいんだけど。坂本さんはゆらゆら帝国のときは全然聴いてなかったんですけど、ヒップホップ耳で聴いてもめちゃくちゃカッコいいっていうか。もう世界レベルのアーティストになってるのが当たり前だなって。 坂本から学べることは「何をしないか」だとMummy-Dは続け、その理由を語る。 Mummy-D:ドラムとかでもテクニカル過ぎると全然違うんですよ。そういうところの抜き加減とか。ボーカルもそうで、これがビブラートめちゃくちゃ効いてテクニカルだと出せない味を出してるのはすごく映像的にというか、美大出身でいらっしゃるし、そういうセンスをすごく感じますね。たぶん真逆だから好きなんだと思うんです。俺とか結構カチカチしてる人だから、この絵は描けないんですよ。細密描写みたいになっていっちゃうというか。ポンと色を置いていっただけでカッコよくなっちゃうみたいな。