【米国株ウォッチ】決算発表近づくディズニー、好調なストリーミング事業が全体を支えるか
現在のディズニー株は割安なのだろうか?
テーマパーク事業を含む、「エクスペリエンス」セグメントの2024年Q3の収益は前年同期比わずか2%増の84億ドル(約1兆2860億円)、営業利益は3%減だった。Q4の見通しも軟調で、ディズニーは「エクスペリエンス」セグメントの営業利益が前年同期比で1桁台半ば減少する可能性があるとの業績見通しを発表している。 パリにあるディズニーランド・パリでは、前四半期に開催された夏季オリンピックの影響で通常の旅行者が減少したと見られるほか、中国における景気後退の影響も予想されている。しかし一方で、同社のクルーズ船事業は好調であり、これがテーマパーク事業の苦戦をある程度相殺する可能性もある。 ■目標株価 ディズニーの株価は過去3年間、いずれも市場全体よりもパフォーマンスが悪かった。ディズニー株の年間リターンは、2021年にマイナス15%、2022年にマイナス44%、2023年に4%となっている。 では、現在のディズニー株は割安なのだろうか? 本稿で述べたような懸念はあるが、私たちはいくつかの理由からディズニー株をポジティブに見ている。その1つが、同社が収益力強化のためのコスト削減と同時に、事業の再構築によってさらなる価値を引き出そうとしていることである。同社は、今年度末までに約75億ドル(約1兆1480億円)の経費削減という目標を達成、または目標を上回る見込みであり、市場予想では、EPSは前年度比約30%増加すると見込まれている。私たちはそうした背景を踏まえ、ディズニー株の目標株価を、米国時間10月28日現在の株価である約96ドルよりも約20%高い、116ドル程度としている。
Trefis Team