防衛大の女子学生が力強く「棒引き」競技 開校記念祭で初の試み 新たな伝統に
防衛大学校(神奈川県横須賀市)の「学祭」に当たる開校記念祭が9日、2日間の日程で始まった。今年は初の試みとして、女子学生による棒引き競技を実施。荒々しさで有名な男子学生による棒倒しと並び、防大の新たな伝統になりそうだ。 防大は幹部自衛官を養成する教育・訓練機関で、学生数約2千人。1~4年生が4つの大隊に分かれて集団生活を送り、切磋琢磨(せっさたくま)する。大隊同士の競争の象徴が開校祭のメインイベントとも位置付けられる150人対150人の棒倒し。旧海軍兵学校の伝統を受け継ぎ、防大創設以来、行われてきた。 防大は平成4年度から女子学生を受け入れているが、危険を伴う棒倒しは男子学生のみで行われてきた。「棒倒しに相当する女子同士の競技を」との声を受け、今年初めて棒引きが採用された。 棒引きは、30人対30人で12本の棒を奪い合い、自陣に運び込んで得点を争う競技。棒に塗られた色によって得点が異なり、棒の並べ方は開始直前まで選手に見せないため、チームワークや判断力に加えて戦略性も問われる。9日の決勝戦では第1大隊が初の「優勝大隊」に輝き、仲間の学生らと気勢を上げた。 開校祭では観閲行進や儀仗(ぎじょう)隊、留学生による母国の文化紹介なども行われ、一般の人は日頃立ち入れない広大なキャンパスが来場者でにぎわう。 実行委員長の4年生、岡部暁さんは「防大はきまじめな学生ばかり、体育会系の学生が多いという印象かもしれないが、多様な個性を持つ学生が集まっている側面を知っていただきたい」と来場を呼びかけている。(山沢義徳)