2024年大学10大ニュース 年内入試の拡大、私大定員割れ
2.キャンパス移転・再編相次ぐ
学部の再編や移転に合わせたキャンパス再編が相次いでいます。大きな流れは都心部への移転ですが、複数あるキャンパスの位置づけを明確にしたり、文理融合教育や地域との連携を進めようとしたりする狙いもあるようです。 立命館大学は24年4月、衣笠キャンパス(京都市北区)にあった映像学部と、びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)にあった情報理工学部を、大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)に移転しました。大阪いばらきキャンパスは、文系のみの4学部から情報系や映像系を加えた6学部になり、学生数1万人を超える大キャンパスになりました。同キャンパスは「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」と位置づけ、地域や社会に開かれた取り組みを進めています。 関西学院大学は25年4月に、神戸三田キャンパス(兵庫県三田市)の近くに学生寮やインキュベーション施設、商業施設が入居する「C-ビレッジ」を開設します。また創立140周年を迎える29年に、神戸市灘区に新たに王子キャンパスを開設し、既存学部の一部を移転する予定です。これに合わせて西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)、西宮聖和キャンパス(同)、神戸三田キャンパスの性格づけを検討しています。 近畿大学は25年11月、医学部と病院を現在の大阪狭山キャンパスから大阪府堺市の泉北高速鉄道・泉ケ丘駅前に移転します。創立100周年記念事業の一環で、26年には看護学部(仮称)を設置し、看護学部と連携した科目も設ける予定です。 首都圏では、中央大学が23年4月、法学部を多摩キャンパス(東京都八王子市)から茗荷谷キャンパス(東京都文京区)に移転し、学部生と大学院生約6000人が大移動しました。後楽園キャンパス(東京都文京区)の理工学部、市ケ谷田町キャンパス(東京都新宿区)の国際情報学部と都心での文理融合教育を進めています。法学部が抜けた多摩キャンパスには、27年に農業情報学部(仮称)と健康スポーツ科学部(仮称)を新設する予定です。 同じ23年には、関東学院大学が横浜市中心部に横浜・関内キャンパスを新設し、横浜・金沢八景キャンパス(横浜市金沢区)にあった法学部、経営学部など3学部を移転しました。同時に横浜・金沢文庫キャンパス(同)にあった2学部を金沢八景キャンパスに移転し、金沢文庫キャンパスはスポーツ拠点にしています。 東京理科大学は25年4月、薬学部を千葉県野田市から都内にある葛飾キャンパス(東京都葛飾区)に移転します。野田キャンパスには、26年に創域情報学部(仮称)を新設する予定です。 30年をめどに、法政大学が経済学部を多摩キャンパス(東京都町田市)から市ケ谷キャンパス(東京都千代田区)に移転する予定で、各大学の将来構想に絡めた動きが活発になっています。