チケット完売!19年ぶりのカズと俊輔共演にロマンはあったのか?
まるでデジャブを見ているかのように、神奈川県横浜市をホームタウンとするJ1の横浜F・マリノスと、J2の横浜FCが昨夏と同じシチュエーションで邂逅した。 大会名が天皇杯全日本サッカー選手権大会ならば、ステージも3回戦。スタジアムがニッパツ三ツ沢球技場ならばキックオフ時間も19時で、試合も2-1と同じスコアでマリノスが制した。現役最年長選手、FW三浦知良(52)が横浜FCのゲームキャプテンを務める光景も昨年と変わらない。 大きく異なる点をあげれば、昨年より1か月あまり遅い14日に行われたことと、もうひとつは横浜FCのボランチを見慣れない「46番」を背負ったレフティーが担ったことだろうか。J1のジュビロ磐田から電撃移籍して約1か月。いまも愛してやまない古巣と中村俊輔(41)が対峙した。 「いままでいっぱい試合をしてきましたけど、記憶に残るというか、印象深い試合になったかなと思います。マリノスとやるときはいつでもこうですね。ダービーなので勝ちたかったけど、前半の出来があまりよくなかったので、ちょっと響いてしまったという感じですね」 マリノスのパススピードとプレスの速さに圧倒された前半を、2点のビハインドで折り返した。後半17分には4日前に18歳になったばかりのFW斉藤光毅が、カズとの交代で投入される。左腕に巻いていた真っ赤なキャプテンマークを、こんな言葉とともに俊輔に託してからカズはピッチを後にした。 「後を頼むぞ。まだまだチャンスはあるから」 カズが途中で退いた場合には、俊輔がゲームキャプテンを務めることが事前に決まっていた。俊輔が大役を引き継いでからわずか3分後に、斉藤のアシストからMF齋藤功佑(22)がゴールを決めるも、追撃はここまでだった。あと1点が届かず、横浜FCの天皇杯が終わりを告げた。 「カズさんからは『後ろからどんどん指示を出して、いいように使ってくれ』と言われていた。マリノスのボールの回し方が上手いので、僕自身も他の選手もボールを追っかける時間が長かった分、なかなかカズさんにいいボールを出せなかったことが残念です」