チケット完売!19年ぶりのカズと俊輔共演にロマンはあったのか?
ホットラインを開通させられなかったと俊輔が悔しがれば、前半開始早々に惜しいシュートを放つなど、2トップの一角で奮闘したカズは後方で俊輔が放った存在感に頼もしい視線を送った。 「後ろから俊輔が的確なアドバイスを送ってくれて、僕らを動かしてくれていた。そういう部分では本当に助かりましたし、ああいう選手と一緒にプレーできるのは本当に幸せなこと。この(令和の)時代になっても2人ピッチに立てたことに、本当に感謝したいと思っています」 日本サッカー界をけん引してきた2人のレジェンドが、以前にピッチ上で共演したのは2000年6月6日にまでさかのぼる。トルシエジャパンの一員として臨んだ、モロッコで開催されたハッサン二世国王カップ。先発フル出場した俊輔が起点となるかたちで、途中投入されてからわずか3分後の後半33分に、現時点では最後となっている代表通算55ゴール目を決めた。 ともに先発としてそろい踏みを果たしたのは、2000年2月20日のマカオ代表とのAFCアジアカップ予選以来となる。いずれにしても19年ぶりとなる、歴史的なランデブーが見られることへの期待も手伝ったのか。平日夜の開催にもかかわらずチケットは前売り段階で完売し、ニッパツ三ツ沢球技場へは1万2489人もの大観衆が詰めかけた。 もっとも、過ぎ去った19年もの歳月は、2人の大ベテランに非情な現実を突きつけている。横浜FCを率いる下平隆宏監督(47)は、水戸ホーリーホックと0-0で引き分けた10日の明治安田生命J2リーグ第27節から、先発メンバー全員を入れ替えてマリノス戦に臨んだ。 破竹の7連勝を含めてリーグ戦で9戦連続無敗を続けている横浜FCは、一時は中位に低迷していた順位をJ1参入プレーオフ進出圏内の5位にまで浮上させている。必然的に天皇杯では、リーグ戦でコンスタントに出ている選手ではなく、出場機会の少ない選手をメインに戦ってきた。