第2次石破内閣、今夜発足へ 決選投票経て首相に選出 与党過半数割れで厳しい政権運営
衆院選を受けた第215特別国会が11日、召集された。衆参両院の本会議で首相指名選挙が行われ、衆院で30年ぶりとなる決選投票を経て、石破茂首相(自民党総裁)が第103代首相に選出された。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、同日夜に公明党との連立による第2次石破内閣を発足させる。新体制で「政治とカネ」への対応や野党との政策協議に臨むが、与党過半数割れの状況下で厳しい政権運営が待ち受ける。 【年代別でみる】石破内閣を「支持する」が「支持しない」を上回った唯一の年代は? 衆院での首相指名選挙は初回の投票で誰も過半数に達せず、上位2氏による決選投票となった。決選投票では石破首相が初回と同じ221票を獲得し、立憲民主党の野田佳彦代表の160票を上回った。 また、決選投票では84票が無効票となった。野田氏に投票した共産党を除き、野党各党が自党代表の名前を書いたとみられる。国民民主党の玉木雄一郎代表には11日、女性との不適切交際が発覚したが、同党は2回とも玉木氏に投票した。 首相は指名選挙に先立つ党会合で、派閥パーティー収入不記載問題の関係議員に対し、衆参両院の政治倫理審査会で弁明を行うよう促した。「個人の判断になるが、説明責任を果たすため、政倫審も含め、あらゆる場を積極的に活用することを期待する」と語った。政策活動費の廃止や調査研究広報滞在費(旧文通費)の透明化、第三者機関の設置について「年内に決着を図りたい」と述べた。 首相は12月初旬にも召集される臨時国会で、令和6年度補正予算案の成立や、政治資金規正法の再改正など政治改革の実現を目指す。11日には立民の野田代表、国民民主の玉木代表と相次ぎ会談し、協力を求めた。 新内閣では衆院選で落選した閣僚の後任として法相に鈴木馨祐元外務副大臣(47)、農林水産相に江藤拓元農水相(64)を起用。公明党代表に就任した斉藤鉄夫氏の後任の国土交通相として、同党の中野洋昌元経済産業政務官(46)を充てる。他の閣僚は再任する。