パレスチナ指導者、トランプ氏に和平呼びかけ ガザでは不安の声
Nidal al-Mughrabi Ali Sawafta Hatem Khaled [カイロ/ヨルダン川西岸/パレスチナ自治区ガザ 6日 ロイター] - 米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になったことを受け、イスラム組織ハマスとパレスチナ自治政府は、トランプ氏に対し和平を実現するよう呼びかけた。イスラエルとの戦闘が1年以上続いているパレスチナ自治区ガザの住民の間で懸念と不安が高まっている。 ハマス幹部のサミ・アブ・ズフリ氏はロイターに対し、米国の選挙は米国民の問題としながらも、「トランプ氏にはバイデン氏の過ちから学んでほしい」とし、米国に対しイスラエルへの「無分別な支援」を止めるよう訴えた。 トランプ氏が大統領就任後数時間で戦争を止めることができると発言していることについては、その真偽が試されると述べた。 ヨルダン川西岸を統治するパレスチナ自治政府のアッバス議長は、トランプ氏の勝利に祝意を示した上で、次期米政権と協力して地域の平和を実現すると表明。「われわれは平和への取り組みを堅持する。米国がトランプ氏のリーダーシップの下で、パレスチナ人の正当な願望を支持すると確信している」とした。 ただ、一般のパレスチナ人の間では懸念が高まっている。ガザ南部のハンユニスの避難民はロイターに対し、トランプ氏の勝利は「パレスチナ人の歴史における新たな大惨事」とし、この先に一段の困難が待ち受けていると述べた。トランプ氏が1期目在任中にエルサレムをイスラエルの首都と正式に認めたことは、トランプ氏がイスラエル寄りであることを示しているとの指摘も出ている。