能登半島地震「被災地の今」高齢化で孤独死も…被災者支援のあり方は「我が事として防災を」
南日本放送
発生からまもなく1年となる能登半島地震。ニューズナウではMBCの記者が見た被災地の今をシリーズでお伝えしています。 【写真を見る】能登半島地震「被災地の今」高齢化で孤独死も…被災者支援のあり方は「我が事として防災を」 冬を迎えボランティアが不足し、仮設住宅では「孤独死」も起きています。 1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生。石川県内の住宅被害は9万4000棟以上。地震で228人が死亡、関連死は241人です。 (記者)「輪島市町野町です。震災と豪雨による爪痕が残ったまま。こちらに目を向けると住宅の下に車がはさまっている」 9月の豪雨では輪島市で1時間に121ミリの猛烈な雨を観測。土砂崩れなどで15人が亡くなりました。 市街地から車でおよそ1時間、輪島市町野町です。中学校の体育館に全国からのボランティアおよそ30人が集まりました。 (町野復興プロジェクト実行委員会 山下祐介委員長)「高圧洗浄機を使う作業と拭いたりする作業」 米農家の山下祐介さん(38)です。豪雨災害から1週間後に地元の仲間とボランティアを受け入れる団体を立ち上げました。 元日の地震では自宅が半壊し、9月の豪雨では田んぼの8割が被災しましたが、「行政主導ではなく自分たちの手で復旧を」と、住民とボランティアをつなぐ役割を担っています。 依頼は流木や土砂の撤去などさまざまです。 この日は、側溝にたまった泥を5時間ほどかけてかき出しました。 (参加者)「涙しか出てこない、少しでも手伝いになればいい」 こちらの女性は、地震で自宅裏の斜面が崩れ家は半壊したと言います。 (自宅が半壊)「(土砂崩れが)スローモーションに見えた。もうダメかなと思いながら。皆さん遠いところから来て、(ボランティア)頑張っていただくのはありがたい」 山下さんが運営する団体では9月の豪雨以降、およそ3000人のボランティアを受け入れました。しかし、本格的な冬を前にボランティアは減少傾向。宿泊施設には限りがあるなど受け入れ体制が課題となっています。