マイナンバー法が施行「一度流出すると取り返しつかない」さまざまな懸念
「『共通番号』にすることは大きな問題です。分野別番号制であれば、分野を超えた名寄せ・突合をすることを防ぐことができます。たとえ、分野別番号制にしても、分野別番号同士のひも付けを出来るようにすれば、真に必要な個人情報の名寄せ・突合は可能ですから、利便性を犠牲にすることにはならないでしょう。また、外に持ち歩く必要が高い身分証明書や健康保険証と、本来持ち歩く必要のないマイナンバーをセットにすると、トラブルがあった時にリスクもまとまって降りかかってくることになります。最低限、個人番号カードからマイナンバーを消して、現在の住基カードのようなICカード化すべきです」(水永弁護士) たしかに、マイナンバー制度が、行政を効率化して国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤としての機能を有する側面があることは事実でしょう。しかし、どのような手段を取れば、プライバシーという重要な権利を害することなく目的を実現できるのかは、まだ十分に議論がなされているとは言えない状況にあります。今年の年末に提起される予定のマイナンバー違憲訴訟では、具体的にどのような主張がなされるのでしょうか。 (ライター・関田真也)