日経平均「史上最高値」を更新した2024年…2025年も「株高」に期待できるワケ【解説:エコノミスト・宅森昭吉氏】
「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という、十二支と株価との関係を表す「格言」があります。データで確認すると、いくつか例外もあるものの、おおむね格言どおりに株価が動いていると言えそうです。
干支と日経平均株価の関係
1950年から2023年のデータで日経平均株価・前年末比をみると、74年間の平均上昇率は+11.0%である。 12年に一度、暦の上で回ってくる十二支ごとの日経平均株価・前年末比の平均上昇率をみると、全期間の平均+11.0%を上回る十二支は、辰年(+28.0%)、子年(+22.5%)、卯年(+18.0%)、亥年(+16.5%)、酉年(+15.7%)、巳年(+13.4%)の6つである。 逆に、+11.0%を下回る6つの十二支には平均上昇率が2ケタとなる年がなく、最も高くても申年(+8.8%)。次いで未年(+7.9%)、戌年(+6.2%)である。 平均上昇率がほとんど横ばいに近い十二支は、丑年(+0.8%)、寅年(+0.2%)で、いちばん低いのが午年(▲5.0%)と、格言のなかで唯一「下がり」と下落を示唆されている十二支である。
「干支と日経平均株価の関係」に米国大統領選挙の影響はある?
米国では4年に一度大統領選挙が行われ、その前年のNYダウは上昇しやすい傾向がある。NYダウが上昇すると日経平均株価も上昇しやすい。 日本にも影響があるかを確認してみると、米国大統領選挙の前年の十二支・3つのなかで亥年と卯年の2つは入るが、未年は含まれない。また米国大統領選挙の前年の十二支・3つのうち子年と辰年の2つは入るが、申年は含まれないので、米国大統領選挙の影響であるとは必ずしも言えない。ただし、上昇率が高い十二支を8番目まで拡大すると、未年・申年も含まれるので、十二支と日経平均株価との関係には、4年に一度の米国大統領選挙が多少は影響している可能性があろう。
ここ12年間の相場も格言どおり 2025年(巳年)も「天井」か
最近12年間(2012年~2023年)の日経平均株価・前年末比は、74年全期間(1950年~2023年)の動きとほぼ同じである。 不思議なことに、最近12年間において「上昇率が2ケタとなった年」の干支は、全期間平均(74年間)と同じ6つ(辰年、巳年、酉年、亥年、子年、卯年)であった。 2012年(辰年)は+22.9%、2013年(巳年)は+56.7%と、2ケタ上昇の辰巳天井を経たのち、2014年(午年)は+7.1%、2015年(未年)は+9.1%、2016年(申年)は+0.4%と、3年にわたり平均以下の上昇率にとどまった。 2017年(酉年)は+19.1%と4年ぶりに上昇率が2ケタになり、2018年(戌年)は▲12.1%と下落。2019年(亥年)は+18.2%、2020年(子年)は+16.0%と、2年連続で2ケタ上昇率となった。 2021年(丑年)は+4.9%、2022年(寅年)は▲9.4%とモタついたのち、2023年(卯年)は+28.2%と跳ねた。2024年(辰年)の日経平均株価・前年末比は、11月13日終値時点で+15.7%と、2ケタの上昇率になっている。 宅森 昭吉 景気探検家・エコノミスト ESPフォーキャスト調査委員会 委員 ほか
宅森 昭吉