〈衆院選〉鹿児島選挙区で立民の川内、野間氏が勝利 無所属・三反園氏も 自民は森山氏の1勝のみ 投票率53.49%
27日投開票の衆院選で12人が立候補した鹿児島県内4選挙区は、立憲民主前職の川内博史氏(62)と野間健氏(66)が1、3区で当選を、無所属前職の三反園訓氏(66)が2区当選を確実にした。前職4人を擁立した自民は4区、森山裕氏(79)の1議席にとどまった。1区の自民、宮路拓馬氏(44)は比例復活した。現行の小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降、自民が小選挙区の議席で半数を割ったのは初めて。小選挙区の県内投票率は53.49%で、前回2021年を4.22ポイント下回った。 【写真】当選が確実となり、支持者らと喜ぶ川内博史さん=28日午前0時32分、鹿児島市下荒田1丁目
■1区 前職同士が対決した1区は、立民の川内博史氏(62)が自民の宮路拓馬氏(44)との競り合いを制した。 川内氏は自民党派閥の裏金事件を追及し、政権批判の受け皿となった。自民非公認候補が代表を務める政党支部への活動費2000万の支給が報じられると、非難を強め勢いは加速。立民の野田佳彦代表も駆け付け、無党派層を味方に付けた。地域をくまなく回り街頭演説を繰り返す“草の根活動”に徹し、女性や高齢者らに広く浸透した。 宮路氏は地元議員や友好団体の協力を得て組織戦を展開。石破茂首相や野田聖子元総務相も駆け付け、てこ入れを図った。女性活躍推進など「自民らしくない」政策を強調し裏金問題の批判をかわそうとしたものの、逆風が直撃した。 参政新人の昇拓真氏(34)は若さを前面に打ち出し、減税や財政出動を唱えたが、知名度不足が響いた。 ■2区 元鹿児島県知事で無所属前職の三反園訓氏(66)が、自民前職の保岡宏武氏(51)、維新新人の辻健太郎氏(38)、共産新人の松崎真琴氏(66)、参政新人の矢竹ゆかり氏(61)との5人の争いを制し、2度目の当選を確実にした。
無所属ながら自民会派で活動してきた三反園氏と、昨年2月に祖父の代から縁の深い2区の党支部長に就いた保岡氏の保守分裂選が軸となった。 三反園氏は前回選挙と同様に元知事の知名度を生かし、草の根で活動を展開。比例区では公明党への投票を呼びかけ、選挙区で「公明票」の取り込みを図った。一部地域では自民系議員も応援に回り、鹿児島市谷山や出身地の南薩に加え、奄美市でも保岡氏らをリードした。 保岡氏には、石破茂首相ら党幹部が続々と応援入り。友好団体や企業の組織を引き締めた。しかし、地元で支持が割れていることを理由に公明の推薦は最後まで得られず。ルーツである奄美で大差をつけられなかった。 辻、松崎、矢竹の3氏は、政権批判票の受け皿を目指して支持を訴えたが伸び悩んだ。 ■3区 立民前職の野間健氏(66)と自民前職の小里泰弘氏(66)との一騎打ちは、野間氏が当選を確実にした。現行の選挙区割りとなって以降、3回連続の対決だった。