収入がダウンしても「夫のおこづかい」はキープして。見直すべきは貯蓄から
妻の退職により世帯収入が28万円ダウン…。そんなときに削れる支出は? 退職して故郷にUターンした読者に、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんがアドバイス。新NISAを始めるタイミングや、夫のこづかいなど、家計を黒字化するためのチェックポイントを解説します。
退職による収入減で家計が回るか心配
今回の相談者は、坂口成美さん(仮名・東京都・40歳)。夫(40歳・公務員)、長女(15歳)、二女(5歳)の家族構成です。 「退職して故郷にUターン。私が再就職するまで、収入が半減します。親への仕送りや職場でのランチ代がなくなり、住居費は半減、夫にもこづかいゼロで協力してもらうなど削れる支出を書き出していますが、ほかになにを削れば?」 こちらが坂口家の家計表。畠中さんのアドバイスをみていきましょう。
●新NISAは新しい家計収支がプラスになってから
今後の家計収支をプラスにするのが最優先なので、月6万3333円の新NISAはストップして。以前の自宅売却で出た利益でも新NISAを考えているそうですが、市場が過熱気味の今、まとめての投資は危険! 積立などで少額ずつ投資を。 また、老後資金づくりに新NISAを利用するなら、少額ずつ優待狙いの株式投資を始めても。クオカードやお米券など、老後の生活に役立つ優待が多数あります。
●再就職する場合はしっかりと時期を決めるべし
再就職時期が漠然としていると、先送りにしがち。「子どもが小学4年生で塾に通うようになったら」など、具体的な時期を決めましょう。長く働けるように、再就職の1~2年前から職業訓練制度を使い、資格や技術を取得するのもおすすめ。
●こづかいを減らすのはNG!家計変動の原因に
こづかいはゼロにせず、現状キープで。自由に使えるお金がないと、必要なときにバラバラと手渡すことになり、毎月の家計が変動する要因に。あちこちの予算から引き出してかえって出費が膨らんだり、夫の働く意欲にも悪影響です。
まずは新しい家計の黒字化を目指して。新NISAはそのあと
収入減対策として家計を見直し、削れる支出を具体的に割り出すやり方はOK。でも、夫のこづかいをゼロにするのは考えものです。こづかいがないと月の支出が増減するなどデメリットも多いので、そのままキープを。 収入が激減したときにまず削るべきは、貯蓄。新NISAを中断して、妻の収入から天引きされていた分のiDeCoを最低額の5000円まで下げれば、約8万円カットに。ほかの支出見直しと合わせれば、収支はトントンに近づくはずです。新NISAは、新生活にかかる生活費が見えてから再開を。 また、妻の再就職の時期を決めておくとライフプランが立てやすく、教育資金や老後資金を計画的に準備できます。職業訓練制度を利用して再就職前に資格や技術を身につけ、長く働く態勢を整えましょう。
ESSE編集部