「相方が公務員試験に落ちたから…告白してコンビ結成」群青団地の爽やかな魅力
高校の同級生である横颯太と福田智哉。この二人が結成した太田プロダクション所属のお笑いコンビ・群青団地。結成4年目ながら次世代のスター芸人を発掘する大会『ツギクル芸人グランプリ』(フジテレビ系)では、2023年と2024年と連続して決勝に進出するなど、その実力がすでに周知され始めている。 【インタビュー写真】『ツギクル2024』でも決勝進出! ライブシーンで注目の若手お笑いコンビ・群青団地 自然な演技とセンスの光る展開のコントが魅力の彼ら。ニュースクランチ編集部は、コンビ結成からネタ作り、そして今後の展望についてインタビューした。 ◇好きな人に告白みたいなシチュエーション ――まずは、結成の経緯についてお聞かせください。 横:僕はお笑いを見るのが好きで、次第に自分でもお笑いをやりたいと考えるようになりました。大学に通っていたんですが、就活の時期に芸人になるために養成所に入りたいと思ったんです。 そのタイミングで、“高校でいちばん仲が良かった福田とコンビを組みたい”と思って。ある日、福田に車を出してもらって、地元のカップル御用達の夜景が見える展望台まで行ったんです。そこで初めてお笑いをやりたいことを打ち明けて「コンビを組むなら相方は福田しかいないんだ!」と伝えたんですよ。 ――告白するシチュエーション! 横:はい(笑)。でも、僕の言葉に対して、福田は夜景を見ながら「恥ずかしいから無理です」って。福田は「公務員試験を受けるためにこれから勉強する」と言ってたので、もともと人前に出たいタイプの人間じゃない彼を無理に誘うのもな……という気持ちと、福田の進路を尊重して、そこでは一旦、諦めることにしました。 ――福田さんは、横さんから芸人に誘われる予感はしていましたか? 福田:誘われるちょっと前に、横が「就活でNSCの説明会に行きたいから、付いてきてほしい」と言われたんです。“就活に付いていくって、どういうこと?”って思いつつ、とりあえず行ったんです。 説明会が終わって会場を出る間際に「申し込み始まってるから書類、記入していく?」みたいに横から勧められて。そこは断ったんですけど、“横は芸人やりたいのかな?”と初めて思いましたね。その日の夜、展望台で「一緒にコンビを組みたい」と言われたので、やっぱり! みたいな。 横:福田はそこから1年間、公務員試験の勉強をして、僕が太田プロの養成所に入るタイミングで、福田が公務員試験を受けたんです。そしたら落ちちゃって……。失礼な話なんですけど、“もしかしたらラストチャンスかもしれない”と思って、「落ちた直後で申し訳ないけど、もう一度コンビを組むのを考えてくれないか?」って、福田に打診しました。 それでも「本当にゴメン。まだ公務員を目指したいから、もう1年勉強して来年も受験します」って返してきて。結局、僕はもう一度諦めて一人で養成所に入ったんです。その後、養成所で相方探しをしていたんですけど、僕が養成所を卒業するタイミングで、福田が2回目の公務員試験を受けて……また落ちてしまって。 “こいつ、これからどうすんだろう?”って思いつつ、遊ぶ約束をしてたんで、福田の車に乗ってたんです。そしたら、今度は福田から「“一緒にコンビを組みたい”みたいな、あの話って……まだある?」って聞いてきたんですよ。 ――あはははは!(笑) 横:(笑)。その一言でコンビを組むことになりました。 福田:2回も試験に落ちてしまったので、正直“詰んだ……”と思っていたところで(笑)。助けを求めるような形でしたね。 ――コンビを組むまでにそんな紆余曲折が! 群青団地という名前は、どうやって決めたんですか? 横:コンビ名は組んですぐに決めました。コンビ名を決めるときも福田の車に乗って、図書館に行って、図書館で二人が「せーの」で開いたページの単語から決めようとしたんですけど、なんだかパッとするものが決まらなくて。 福田:その日の帰り道、車内で空気階段のお二人がお互いの好きな単語をくっつけて決めたエピソードを思い出して、それでやってみようと。それで横が『群青』、僕が『団地』を出して、『群青団地』ってめっちゃいいじゃん! となり、そのまま決まりました。 ――お話を聞いていると、福田さんの車でさまざまなドラマが生まれていますね。それぞれ、どうしてその単語を選んだのですか? 横:僕は当時、YOASOBIさんの『群青』を聴くのにハマっていて、タイトルから取りました。 福田:僕は……特に「団地」って単語が好きなわけではないんですけど、思い返してみたら、車に乗っているときに外を見たらちょうど、「〇〇団地」って書かれた標識が見えて、それが頭に残っていたからかも。 横:それ、いま知ったんだけど! そうだったの!?(笑) ◇お笑いを見てこなかったからこその意見 ――人間味がありながらも斬新な発想のネタが多く、いつも展開に驚かされています。ネタを作る過程では、どのようにアイデアを出していますか? 横:基本的な内容の軸は僕が考えるんですけど、福田が今までお笑いをそんなに見てこなかったからこそ、台本を渡したときに一般的な目線の意見をくれます。話としての整合性をすごい気にするので、「ここでこうなるのは自然じゃない」みたいなことをよく言ってくれます。 福田:整合性がないとネタをやるうえで引っかかって、ちょっとモヤモヤしちゃうんです。そこは気にしちゃいますね。 横:あと、僕から福田に「こういうとき、どうしたらいいかな?」「この場面のとき、どう思うだろう?」など、アイデアを聞いたりもします。そのうち9割は納得できないことが多いんですけど、残りの1割、たまにすごいキラーフレーズを出してもらったりもします(笑)。 ――群青団地のネタを見ていて思うのは、どんなテーマのネタでも、見る人が没入できること。それは、お二人の繊細な演技力あってこそだと思うんです。演技をするうえで、それぞれ意識していることはありますか? 福田:自分がその場にいたら、どういう感じに対応するだろうかと、そのネタのキャラクターになりきって考えることが多いですね。それから、相方(横)は観察力が鋭いので、細かい演技の修正は相方にやってもらっています。 横:演技については、だいぶ話し合いますね。特に2023年の『ツギクル芸人グランプリ』でも披露した「オンライン」に関しては、自分たちの演技を録画して何度も見返して調整しました。