<全豪テニス>19歳の大坂なおみが飛躍の地で挑むベスト8!
昨年のWTA最優秀新人賞に輝き、今や女子テニス界が“次期女王候補”として注目するまでになった大坂なおみの快進撃は、1年前のこのメルボルンから始まっていた。 当時まだ世界の127位だった大坂は、全豪オープン予選3戦をセットを落とすことなく勝ち上がると、本戦でも第18シードを破る金星を手にして3回戦へ。その3回戦では、元世界1位のビクトリア・アザレンカとセンターコートで戦い完敗するも、「これだけ叩きのめされて、むしろ良かった。多くを学ぶことができた」と印象的な言葉を残した。 あれから1年経った今、大坂はメルボルンから持ち帰った最も忘れがたい思い出として、この2万人収容の巨大アリーナでの一戦をあげている。 「初めての大きなスタジアムでの試合。とても大切な経験だし、ここに戻ってくると良いフィーリングもよみがえる」 19歳、ランキング48位――。立場を大きく変えての新たなシーズン、新たな全豪オープンのスタートを、大坂は気負った風もなく、適度な緊張感と喜びの中で迎えているようだった。 13日(金)に今大会のドローが発表になった時、大坂はまず自分の名前を見つけ、初戦の相手を、そして次に勝ち上がった時を……と先々の展開を大まかに把握した。 初戦は183位のルクシカ・クムクム。約2年前に日本で対戦し、ストレートで勝利した相手である。 そこを勝ち上がれば、2回戦で当たるだろう相手は第9シードのジョハンナ・コンタ。彼女とは2015年8月の全米オープン予選で対戦し、その時は破れている。予選で対戦したことから分かる通り、当時は二人ともにランキング100位圏外の、世界的には無名の選手だった。それが今や大坂はトップ50で、コンタに到ってはトップ10。今週のシドニーオープンでも優勝した、今大会のダークホースの一人である。 そのように自分の進む道にいる対戦者たちを確認した後、大坂は、何人か気になる選手の名前を探した。そんな時、彼女が決まって真っ先に探すのが、セリーナ・ウィリアムズ。グランドスラム22のタイトルを誇る“生きる伝説”は、彼女がラケットを握った日から、今も変わらぬ憧れの存在だ。