競技者の激減を食い止めるには? 女子Fリーグ・豊川季絵が語る「女性スポーツの魅力の伝え方」
「勝ちだけが価値ではない」。人生を彩る一つのコンテンツに
――スポーツに限らず、女性が好きなことを続けるためには、どのようなことが社会課題として挙げられますか? 豊川:女性にとって、さまざまなライフイベントが好きなことを続ける制約になっているような気がします。生活スタイルの多様化を受け入れ、互いに理解して尊重することで、好きなことを続けるうえで障壁と感じることも少なくなるのではないかと思います。 スポーツは「運動が得意でないと楽しめない」と感じる人もいるかと思いますが、スポーツへの関わり方はさまざまです。仲間とつながれる、心を豊かにする、人生を彩る一つのコンテンツとして捉えてもらえたら、生活の中に溶け込んでいけるのではないかと思います。 ――今後、社会全体で女子競技の「KeepPlaying」を実践するために、ご自身が行動に移したいことはありますか? 豊川:職場に「勝ちだけが価値ではない」と書かれた川淵三郎さん(JTL会長)の言葉が飾られているのですが、これは私も大切にしている考え方です。日本女子フットサルリーグというトップリーグに所属する選手である以上、一つのプレーにこだわって勝利を求めること、フットサルの迫力や展開など競技的な部分を楽しんでもらうことを目標にしていますが、フットサルを通してつながった仲間と過ごす時間に私は大きな幸せを感じます。女性スポーツはアマチュアがほとんどですし、選手がファンや社会にとって身近な存在であることも一つの強みだと考えています。そのため、クラブのイベントや地域イベントでの交流の場は積極的に参加していきたいですし、そこでできた輪を大切にしていきたいと思っています。まずは私自身がスポーツを楽しみ、その姿を一人でも多くの方に届けられたらうれしいです。 ――今後、他のスポーツを体験する機会があれば、やってみたいことはありますか? 豊川:ダンスですね。球技はなんとなくイメージがつくのですが、ダンスはこれまでの自分とかけ離れていて、想像がつかないですね。アイスホッケーも興味があります。足で滑りながらスティックを手で扱う感覚がイメージできなくて、挑戦してみたいです。 <了>
[PROFILE] 豊川季絵(とよかわ・きえ) 1993年12月5日生まれ、東京都出身。スフィーダ世田谷FC、十文字高校、筑波大学女子サッカー部でプレーし、大学卒業後にフットサルに転向し、CAFURINGA BOYS 東久留米でプレー。現在は東京都墨田区を拠点に活動する日本女子フットサルリーグ(女子Fリーグ)のフウガドールすみだレディース所属。ボールゲーム9競技の日本の最高峰12リーグの競技力の向上と運営の活性化を図る一般社団法人日本トップリーグ連携機構に勤務し、主にWoman Athletes Project(WAP)を担当している。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]