競技者の激減を食い止めるには? 女子Fリーグ・豊川季絵が語る「女性スポーツの魅力の伝え方」
女性スポーツリーグの“横の連携”を生かして課題解決を
――女子競技は卒業や就職の節目で競技をやめてしまう人も多い中、子どもや大人などさまざまな立場から「こんなことがあったら競技を続けられる」と思うことがあれば教えてください。 豊川:JTLの仕事で関わっているWAPでは、女性のスポーツリーグの横の連携を生かして、競技の認知度拡大や社会課題の解決を目指して活動しています。女性スポーツは競技面以外の魅力も多く備えていると思っていて、たとえば、女性アスリートの多くの方は仕事をしながら競技に携わっているので、デュアルキャリアはもちろん、仕事と家事、勉学と部活など、競技以外のことと両立するための工夫を発信するロールモデルになりうると思います。また、健康・美容・ファッションといった観点でも可能性を秘めていると思います。そういった強みを活用したアクティベーションに繋げられれば、よいサイクルが生まれるのではないかと考えます。 ――女子団体競技の選手が、競技のアイコンとして美容やファッションなどの企業CMなどに取り上げられるようになると、競技の知名度も広がりそうですね。女子競技の環境面で感じる課題や、取り組んでいることはありますか? 豊川:女性スポーツは男性スポーツと比べて「競技力で劣る」とか「認知度が足りない」などと言われることがありますが、競技ごと、リーグ単体で動くのではなく、「女性スポーツ」というカテゴリーとして扱ってもらうことで、新たな価値を見出してスポンサーにメリットを感じてもらうとか、競技横断でいろんな競技の選手が情報を発信していくなどの仕掛けを考えています。 ――豊川さんご自身の経験から、環境面で「もっとこうしたい」と思うことはありますか? 豊川:私自身、今はアマチュアとしてフットサルをやっているからこそ、職場の理解もあって、就業時間を調整して練習にも参加できることをありがたく思っていますが、仕事で動かせない予定もあるので、競技を優先して生活できるような環境に憧れもあります。 ただ、スポーツだけをしていたら、ケガなどで引退しなければいけなくなった時に、突然社会に放り出されても限界があります。そうならないために、社会で活躍できるスキルを磨きながら、いろいろな知識を身につけられるような場を広げていきたいです。個人的には、トップカテゴリーでプレーすることがゴールではないと思うんです。 競技を通じてファンやポーター、スポンサー企業に対して「何を伝えたいか」によって、その人のアクションは変わると思うし、社会人としての過ごし方も変わります。JTLでも、そういうサポートをもっとできればいいなと思います。