一度は行きたい、プレーしたい! 国内の“隠れた宝石”コース【後編】
【山口・若山ゴルフクラブ 梶コース】炭鉱からゴルフ場へ海に浮かぶ手造りリンクス
海底炭田・梶鉱業所は年間15万1000トン出炭していた。ボタと呼ばれる坑内廃土は坑道周辺の遠浅に積み上げられ、やがて抗口と山陽町の海岸が地続きになり、その面積は約8万坪にもなった。ゴルフ好きだった片岡敏郎社長はゴルフ場建設を考え1971年に着工。設計は友人で茨木国際CCの沢田友春プロに依頼。芝は京都の種苗メーカーに赴き3種混合の洋芝の種を購入し、従業員が仕事の合間に種をまいた。
周囲を海に囲まれ強い風が吹き抜け、ボールが手前に戻ってくることも。ゴルフは自然との対峙だと教えてくれる。
【山口・毛利庭園ゴルフ俱楽部】毛利家の裏山に造られ瀬戸内海が眺望できた
戦後になると華族制度の解体、財産税の高率課税などで旧華族は窮地に陥っていった。36万石の藩主・毛利家とて同様で、東京高輪の本邸を物納し、防府の邸宅も物納の危機に見舞われていた。その時、地元財界人は邸宅の裏山にゴルフ場を造り、その収入で税金を納めることを提案。
井上誠一により9ホール、2900ヤード、パー35のコースが誕生したのは1952年。コース全域が「毛利の森」と呼ばれ、歴史を思わせる雰囲気が漂い、1975年に9ホールが増設されるとインコースとなり18ホールに。山口県最初のゴルフ場でもあった。 ※2024年7月23日号「週刊ゴルフダイジェスト/隠れた宝石コース」より一部抜粋
週刊ゴルフダイジェスト