習氏、中国経済は「外部環境の不確実性」に直面 新年あいさつで表明 トランプ政権念頭か
【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は31日、新年を迎えるにあたって恒例のテレビ演説を行い、2025年の中国経済に関して、「外部環境の不確実性」といった課題に直面していると述べた。具体的には説明しなかったが、1月20日に発足するトランプ次期米政権の対中圧力が念頭にあるとみられる。 習氏は「高いレベルの科学技術の自立自強」の推進などが必要だと訴えた。米国がハイテク技術に関して対中圧力を増していることに対処する狙いがうかがわれる。 習氏は「現在の世界は変乱が入り交じっている」と指摘。そうした中で「グローバル・ガバナンスの変革」を推進するほか、グローバルサウス(南半球を中心とした新興・途上国)との団結・協力を深めていると強調した。トランプ氏が「米国第一主義」を掲げる中、中国が「責任ある大国」であるとアピールする狙いとみられる。 台湾問題に関しては、「祖国の統一という歴史の大勢を誰も妨げることはできない」と主張した。中国政府は台湾の頼清徳総統を「台湾独立」派とみなしており、25年も圧力を継続する構えとみられる。