<にしおかすみこ>11月に50歳に 「汗をかいて体力を維持」 甘いもの好きも「コーヒーはブラックになりました」
同居を始めて4年たった今、母の症状は少しずつ進んでいる。
「4年前に比べると、やっぱり忘れる頻度も多くなりましたし、妄想もあります。でも、まだまだできることはたくさんあります。姉の世話はいまも母がしています。難しくなってきたことだけ、さりげなくフォローします。母が、姉と私のことをずっと気にかけてくれるのは日々感じます。
母は感情のコントロールが難しいとき、人の悪口が多めになります。最近、私はそれを聞き流すのがうまくなりました。でもあまりに何度も同じことを繰り返されると、それは症状だから仕方ないとわかっていても、イラっとしてしまいます。この間『なんで同じことばっか言うの!』ってつい言ってしまったんですよ。そうしたら、母が『だってあんたが聞き流すから』って……。バレていました。
全然しっかりしている!って思いました。つい症状のほうに気を取られがちになりますが、母は私をちゃんと見ている。私も母という人をちゃんと見なければと思います。誰しも認知症になる可能性はあります。私がそうなったとき、私の中身を見てくれていないと感じたら、きっと寂しいし悲しいです」
◇個性迷子がSMの女王様に 母は「育て間違いを…」
にしおかさんにとって、家族への思いは変化したのだろうか。
「母は母だし、姉は姉だし、父も相変わらず酔っ払いだし、変わらないです。うちはもともとみんな個性が強くて、年々パワーアップしています。昔から、家族の中で私が一番キャラが薄くて。姉は多彩で絵が上手だったり、水泳に挑戦したり、創作ダンスや、歌、好きなことがたくさんありました。私は何ということはなくぼんやりした子供でした。常に個性迷子だったような気がします。そんな私に母は『好きなことを見つけなさい。好きが元気をくれるから。元気がいちばんだよ』と愛情深く育ててくれました。
時がたち芸人になり、“SMの女王様”キャラをやるようになって、やっと誇れる個性が見つかったと思ったんですけど、母は『どういう育て間違いをしたのか』と思ってしまったそうです(笑い)」