「草の根卓球界を盛り上げたい」独自のランキング制度で競争活性化するクラブチーム・SPOTTO
チーム独自のWEBアプリで運営も
――チームを作って3、4年経過した中で、特に印象的だった出来事はありますか? 小山まぐまさん:たくさん思い出はあるのですが、1つあげるとすると、チーム専用のWEBアプリをチームメイトが作ってくれたことですね。 ――チーム独自のものがあるのは驚きです。 小山まぐまさん:元々は、練習会の案内やランキングの更新は私が手動で行っていました。しかし、作業量が多く、寝る時間を削ってやらないといけないこともあり、負荷が増えてきていました。 そんなときに、SPOTTOにいるエンジニアのおのぽんさんという方が「まぐちゃんを寝かす会」というプロジェクトを立ち上げて、練習会を全て自動で運用するアプリを開発してくれました。 PONNOシステムと言って、必要な情報を入力するだけで練習会の案内がグループLINEに流れ、参加登録や試合結果の閲覧などもできる優れものです。 ――チームメイトが代表である自分のために一肌脱いでくれるのは、嬉しいですよね。 小山まぐまさん:代表冥利に尽きますね。試合で結果を出して恩返ししたいというモチベーションに繋がっています。 また、最近だとチームメンバーの加入の際に嬉しいことがありました。 ――どういうことがあったのでしょうか? 小山まぐまさん:水谷匡孝さんという、元々実業団・百五銀行のレギュラーだった方が今年から加入してくれたのですが、昨年のクラブ選手権予選が終わった後に「熱いプレーを見て、一緒に戦いたいと思いました」とDMをくれました。 実はその時までクラブ選手権の予選で、個人としては1回も負けたことがなくて、その日は初めて負けた試合でショックを受けていたんです。 でも水谷さんの「小山さんのプレーを見て、SPOTTOで来年出たいと思いました」というDMで、翌年に向けて気持ちが切り替えられたので、とても印象的な出来事でした。
クラブ選手権予選敗退の翌日に全国3位に
――チームとして掲げている目標はありますか? 小山まぐまさん:設立時には、3年以内に東京都予選を突破して、全日本クラブ卓球選手権に出場することを目標にしていましたが、通過できずに4年が過ぎてしまいました。 メンバー自体は揃っていると感じているだけに悔しいですね。 ――東京は激戦区なのでなかなか難しいですよね。 小山まぐまさん:今年は、早稲田大学出身で全日学ベスト16の行則一秀さんに加え、水谷さん、副代表の内田碧さん、自分の4人で、しっかり調整した状態で30代の部の予選に出場しました。 しかし私がシングルスとダブルスで2敗してしまい、予選敗退。 プロコーチの菴木伸吾さんのチームに負けてしまったのですが、試合後に菴木さんが長文でアドバイスを送ってくださいました。 ――菴木さん、粋な計らいをされますね。 小山まぐまさん:その翌日、菴木さんのアドバイスを意識して個人戦の全国大会に臨んだところ、3位入賞を果たすことができました。 本当にありがたかったです。周囲の人に恵まれているなと改めて感じた出来事でした。 ――SPOTTOの今後の展望はどう思い描いていますか? 小山まぐまさん:もちろん来年こそは何としてもクラブ選手権に出場したいなど、成績としての目標はあります。 ただ、今1番思っていることは、草の根の卓球界を1番盛り上げられるチームになりたいということです。 例えば、「あの大会、SPOTTOの選手が出るらしいから出たいね」とか「SPOTTOの選手と試合してみたいね」とか、草の根の大会や卓球界の盛り上げに貢献できるようになれるのが一番の理想です。 全国大会のような大きい大会以外で注目してもらえるくらいSPOTTOの存在感を大きくしていって、これまでお世話になってきた草の根卓球界に恩返しができるようなチームになっていけたらなと思っています。
山下大志(ラリーズ編集長)