「草の根卓球界を盛り上げたい」独自のランキング制度で競争活性化するクラブチーム・SPOTTO
卓球へのモチベーションが高い選手が多い
――SPOTTOに所属している選手はどのような方が多いのでしょうか? 小山まぐまさん:“類は友を呼ぶ”という言葉もあるように、私と似ていて、社会人になってからも本気で強くなろうとしている方が多いです。 私のように学生時代にやり残したことがあるのか、今卓球へのモチベーションが高い選手が多くいます。 ――チームに入るための基準はありますか? 小山まぐまさん:周りと一緒に強くなっていきたいという気持ちを持った人であれば、基本的に歓迎しています。 ただし、あまりにも実力差があるとお互いにとって良くないので、誰か1人に1ゲーム取れるということは1つの基準に考えています。 その上で1番重視しているのは、チーム内でのコミュニケーションなど人柄の部分です。副代表が2人いて、自分とそのどちらかが問題ないと判断すれば入部を認めています。 ――大所帯ですが、チーム運営で気を付けていることはありますか? 小山まぐまさん:しっかりした人が多いので、特にこれと言ったルールは設けていませんし、大きな問題が起きたこともありません。 強いて言えば、若いメンバーも多いのでチームの活動にお金がかからないようには気を付けています。 例えば、ユニフォーム代も知り合いの伝手を使って5000円ほどですし、飲み会もなるべくレンタルスペースを借りて1人1000~1500円で収まるようにしています。1回の練習会も500円ほどで参加でき、入会費や年会費などの特別な費用を徴収することもありません。 ――金銭面での障壁を取り除いているわけですね。 小山まぐまさん:そうですね。「お金がかかるから」という理由で参加できない人が出てしまったら悲しいですし、、卓球とは直接関係のない理由で障壁が生まれないようにというのは、結構意識しているところです。
試合と同じ緊張感を出すためのランキング制度
――練習はどのような雰囲気でしょうか? 小山まぐまさん:基本的には、週に1回新宿区か川崎市の施設を借りて練習会を開催しています。 SPOTTOの練習会では、課題を克服するための練習も多少はあるのですが、自分が一番重きを置いているのがゲーム練習です。 というのも、練習でしか使えない技術ではなく、実践で使える技術を身につけるというのを私がモットーにしているからです。 ――確かに、練習でできても試合で発揮できないと意味がないですよね。 小山まぐまさん:そのためには、練習でも本番と同じような緊張感で試合をすることが重要だと考えています。 どうすればその緊張感を作れるのかなと考えたときに、ランキング制度を思いつきました。 ――どういった制度ですか? 小山まぐまさん:世界ランキングを参考にしていて、年間の上位8大会や練習会での順位に応じてポイントを設定し、ランキングをつけるというものです。 ランキングの順位に応じて、上位の選手は次の大会ではAチームで出られるなど、チーム分けの判断材料にしています。 加えて、下位の選手にも良い緊張感でやってもらうために、ランクに応じて2点ハンデ、4点ハンデなどハンデマッチ制度も設定しています。 これにより全体的に実力が拮抗して、負けられない試合に似た緊張感が維持できる仕組みになっています。 ――ランキングがあることで、モチベーションも上がりそうですね。 小山まぐまさん:各練習会のランキング1位の選手には、賞品も用意しています。 私が自腹で賞品を提供しているので、なるべく自分で回収しないと赤字になります(笑)。それもあって自分自身も良い緊張感で試合ができています。