菊地吉正の【ロレックス通信 No.263】|一転して急激な円高! はたしてロレックスの実勢価格への影響は?
去る8月5日、日経平均株価は前週末よりも4451円安と歴史的な下げ幅を記録、同時に円相場も一時1ドル=141円台を付けた。1986年12月以来、およそ37年半ぶりという161円台後半を記録した6月下旬からわずか1カ月あまりで約20円も上がったことになる。 【画像】主要10モデルの写真とともに値下がり幅をチェック 現在はアメリカの景気減速懸念も後退してやや落ち着きを取り戻していることから147円台となっているようだが、為替の影響をもろに受けやすい並行輸入市場ではやはり多少影響が出始めている。そこで、毎月3週目に予定しているロレックス相場定点チェックを1週間前倒ししてお届けする。 当サイトに常設している「週間ロレックス相場」(関連記事参照)の8月9日付けを見ると、この1週間でエクスプローラー36を除いた9モデルが値を下げている。なかでも下げ幅が大きいのが、異常なプレミアム価格のデイトナとGMTマスター II である。この1週間だけでも20万円前後の値下がりとなった。
この状況についてある並行輸入店に聞いたところ「ロレックスについては2022年に市場価格が大幅に下落した苦い経験もあり、近年は株にしても為替にしても動きが異常で読めないため、海外から大量に仕入れることは控えたり、中古など国内での仕入れを強化したりとリスクを減らしている」と語る。そのため円相場よりも株安で購入を控えるほうが心配とのことだった。 ほかにも、これだけ新品の値動きが激しいと、中古モデルなどの買い取りにも慎重にならざるを得ないため、低めに設定しなければならないなど買取相場にもだいぶ影響が出そうだと語っていた。 文◎菊地吉正(編集部)
菊地 吉正|パワーウオッチやロービートなど時計専門誌の発行人兼総編集長。時計ブランド「アウトライン」も展開。ロレックス通信連載