女子中高生が竹中工務店のオフィスツアーへ!東京都が力を入れるSTEM分野の魅力発信事業とは?
東京都では、STEM分野の魅力発信事業「オフィスツアー」を実施している。令和5年度事業の第3弾として、建設分野から竹中工務店のオフィスツアーが開催された。筆者は、女子中高生向けのツアーと聞いて、彼女たちはどんな目的で参加し、どんなことを感じるのか興味を持った。そこで、オフィスツアーを取材することにした。
科学・技術・工学・数学の4分野の職場を訪問するオフィスツアー
まず「STEM」とは何か説明しよう。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4分野の総称だ。いわゆる理系分野と言ってよいのだろうか、こうした分野で女性が働くことの魅力を発信する事業ということだ。 東京都では、令和5年度事業として、第1弾は大日本印刷/SCSK/NTTデータ、第2弾は日本マイクロソフトのオフィスツアーを実施した。そして今回の第3弾は、建設分野の竹中工務店。現場見学があるからか、参加人数は20人とこれまでよりも少ない人数の募集枠だった。
抽選で選ばれた女子中学生&高校生が集合
当日はまず、竹中工務店の会議室に、かなり多くの応募から抽選で選ばれた女子中高生が集合した。集まってきた女子中高生は、友達と2人で参加する生徒も何組かいたが、多くは1人で参加しているようだった。5人ずつの4グループに分かれて着席するが、初対面でもすぐに打ち解けて、学校の話などをしてにぎやかになっていた。 少し話を聞いてみると、学校に掲示したポスターを見て応募した人もいれば、母親や知人が教えてくれた、アプリ広告を見たという人もいた。高校生の場合は、すでに理系専攻を決めていて建築にも興味を持っているというケースがあったが、中学生の場合は文理専攻のどちらにするか迷っていて、その参考になればと思って参加したというケースもあった。 ○オフィスツアーのプログラム 開会のあいさつ(東京都・竹中工務店) イントロダクション 社員とトークタイム(個別質問会) 館内見学・質疑応答 ~バス移動~ 作業所見学・質疑応答 閉会の挨拶(日本建設業連合会) 最初に、東京都生活文化スポーツ局 女性活躍推進担当部長の樋口 桂さんから、開催趣旨の説明があった。日本の場合は、STEM分野の大学に進学する女子生徒が少なく、就職先に選ぶ人も少ないが、その理由のひとつに性別による「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」があるという。つまり、女性は文系に進学するもの、理系の職場は女性には向かないといった無意識の思い込みが、進学や就職先を決定する場でも働いてしまう。そこで、東京都ではSTEM分野での女性活躍推進を目的に、オフィスツアーによって将来のイメージを持つことで、進路の選択肢が広がることを期待しているのだ。
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