【車いすラグビー日本代表/2024クアードネーションズ】パラリンピック開幕まで4か月。日本は勝利を逃すも「チャレンジ」を貫く
昨年10月にフランス・パリで開催された「国際車いすラグビーカップ」では大接戦を繰り広げた両者。自国開催となるパラリンピックに向けてギアを上げるフランスは、ここ数年ほぼ固定メンバーで国際大会に出場しており、今大会もチームの完成度を高めることに注力しているように見受けられる。 第3ピリオドで日本は点差を離されまいとくらいつくが、第4ピリオド中盤からパスが思うように通らない時間帯が続き、46-55で試合を終えた。
そして、ナイトゲームとしておこなわれた地元・イギリスとの予選ラウンド第2戦。 キャプテンの池と池崎大輔、攻守において要となるベテランのハイポインター(障がいの比較的軽い選手)2名が体調不良で欠場するなか、10名のメンバーで試合に臨んだ。 そのうちの4名が2022年以降に国際大会デビューをした若手という布陣ながらも、「みんながこの状況をポジティブに捉えた。プレータイムが増えてたくさん経験ができる。たとえ失敗したとしても、絶対にそれは次につながる失敗になるので、どんどんチャレンジしようと話した」と、ゲームキャプテンを務めた中町俊耶は語る。
試合は、序盤からターンオーバーを奪われ苦しい展開が続くが、そんな時ほど、これまで取り組んできたスペースを広く使う日本のラグビーに全員が努めた。 リオと東京の2大会連続でパラリンピックに出場した乗松聖矢がコートでリーダーシップを発揮し、高校生の頃から日本代表として経験を積んできた橋本勝也がエースとして、トライゲッターとしてプレーでチームを引っ張る。 じわじわと相手にリードを広げられ点差は開いていくが、ボールを必死につないでゴールを目指し、27-33で試合を折り返した。 パラアスリートは、病気や事故などの理由で後天的に障がいを負って競技を始めるケースも多いため、一概に年齢で競技歴は計れないが、今大会のイギリス代表は半数近くが40代のベテランチームで、経験というものの大きさを体現している。