20得点を挙げるなどしたジョシュ・ホーキンソン選手（中央右）

　国立代々木競技場第一体育館（渋谷区神南2）で1月5日、Bリーグ・アルバルク東京（以下、A東京）とサンロッカーズ渋谷（同、SR渋谷）の試合が行われ63-65でSR渋谷が競り勝った。（シブヤ経済新聞） 【写真】積極的にリングへアタックしたレオナルド・メインデル選手 　共に渋谷区を拠点にするチームの今季唯一のダービー2戦目となったこの日。A東京は序盤から「何が何でも勝つために、自分の役割として」レオナルド・メインデル選手が積極的にインサイドへアタックして攻撃を組み立てる。SR渋谷はジョシュ・ホーキンソン選手が「大事なのはディフェンスの穴を見定めて、1つに固執しないこと」と、ゴール下へのダイブや3ポイント（P）シュート、リングへのアタックと多彩な攻撃で得点を重ねリードを奪う。それでも、A東京がゾーンなどを織り交ぜながらSR渋谷の得点を抑え、安藤周人選手の3Pシュート、好守からの得点などで20-17とリードを奪う。 　第2クオーター（Q）序盤は、A東京がリーグ屈指のフィジカルを生かしゴール下を中心に得点を挙げ点差を広げる。SR渋谷は前日の試合に引き続きミスマッチを執拗に狙う。思うように加点できない時間もあったが、田中大貴選手のレイアップ、アンソニー・クレモンズ選手、阿部諒選手の3Pシュートなどで34-37と逆転に成功して前半を折り返す。 　ロースコアの展開となった後半。A東京は引き続きメインデル選手を起点とした攻撃、SR渋谷はケビン・ジョーンズ選手を中心にミスマッチを生かした攻撃で、それぞれ得点を挙げる。48-53で迎えた最終Qは互いに3Pシュートから入る。ホーキンソン選手がフィジカル差を突いて得点を重ね、リバウンドからの速攻で一時10点差を付ける。それでもA東京は、好守からの速攻、アルトゥーラス・グライティス選手のリバウンドからの得点などで残り13.5秒で1点差まで詰め寄る。わざとファウルをして攻撃権を得る「ファウルゲーム」を仕かけ迎えた残り6.5秒から最後の攻撃。小酒部泰輝選手がリングへアタックして守備を引き付け空いたメインデル選手にパス。メインデル選手が放った3Pシュートはリングに弾かれ試合終了となった。 　A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ（HC）は「ディフェンス面でのエナジー、フィジカル、努力面は改善されていた」と評価しつつ、フリースローと3Pシュートの確率の低さを指摘。テーブス海選手が離脱し4連敗を喫し「苦しい状況は確か。オフェンスのタイミングやパスがずれている感じがあり、状況判断が悪い部分が目立っているが、段階を踏んでいかにチームで支え合って乗り越えることが必要」と話した。 　A東京は終盤、ポイントガードなしのメンバーで戦った。本職の1人である岡本飛竜選手は「（終盤出場できないのは）もちろん悔しい」と言い、2日通して狙われたミスマッチについては、「やり方やフィジカルの部分でもっとうまく守れた。エナジーをよりスマートに出さないといけないと思った。昨日の時点でファウルが少なくて戦えていないんじゃないかという指摘があった。ファウルは決して悪いわけではないので、バランスは考えていかないといけない」とも。 　メインデル選手は「ディフェンスでもオフェンスでも5人が共通認識を持って遂行すること、細かい所や一つのプレーを大事にしたい」改善点を挙げ、「全員がステップアップする必要があり、異なるポジションをやらないといけない時もあるが、チームの為にどのポジションでもやる意識はある」と意欲を見せる。 　SR渋谷のルカ・パヴィチェヴィッチHCは「（前節の）連敗を糧にして最後までやめずに気持ちを全面に出した結果。チームに必要な勝ち」と勝利を喜んだ。終盤は外角のシュートが決まらなかったが、「ミスマッチに対してトラップに来たので、パスを回したオープンシュート。良いシュートだったしベストなオフェンスをした。入らなかったら相手を止めることが勝ちに必要」と話した。 　勝利後SR渋谷の選手たちは喜びを爆発させていたが、ホーキンソン選手は「クロスゲームを勝ち切れない試合が続いていた。なぜ勝てないのか、どうしたら勝てるのかは常々話していて、やっと連勝でき新年を良いかたちでスタートできてうれしかった」と言う。守備面では「メインデルのピック＆ロールゲームが一番脅威だった。ガード陣がプレッシャーをかけて好きにやらせないこと、ビッグマンはスクリーンをかける選手もケアしないといけない。ウィークサイド・ボールサイドからヘルプをしながら皆で抑えていくことが重要だった」と振り返った。 　今季唯一のダービーとなった今節。小酒部選手は「東京がバスケットで盛り上がってくれたらうれしい」と期待を込めた。