豪州で凄まじい人気のダニエル・リカルド（ロイター）

　F1レッドブルが大ピンチだ。絶対王者として君臨してきたが、最近は〝天才マシンデザイナー〟エイドリアン・ニューウェイ氏や名指揮官のジョナサン・ウィートリー氏など主要幹部が続々と退団。チームも今季中盤からパフォーマンスが急降下して、製造者部門ではマクラーレンにトップを明け渡し、ドライバーズタイトルもマックス・フェルスタッペンの王座獲得が危機的状況となっている。 　そうした中で、姉妹グループのRBに所属していたダニエル・リカルドを成績低迷もあって9月のシンガポール・グランプリ（GP）後に電撃解雇。この決定が、チームをさらなる窮地に追い込むことになりそうだ。オーストラリアメディア「ニュースドットコム」は「ダニエル・リカルドの解雇で、レッドブルの3500万ドル（約52億円）の契約が危うくなる。彼の解雇は元チームに大きな打撃を与える可能性がある」と報じたのだ。 「リカルドの解雇は大きな痛手となる可能性がある。レッドブルにとって最も痛いところ、つまり収益に打撃を与える可能性があることが明らかになった」と同メディアは指摘。「オーストラリア人選手が加わったことで、タイトルパートナーのVisa、CashAppとの年間3500万ドルという巨額の契約が成立した。情報筋によると、この数字がここまで高くなったのはリカルドのおかげであり、ネットフリックスの『Drive　to　Survive』の顔であることもあって、彼がグリッド上で最も〝売れる男〟であることを証明した。今や、ガレージにこの男がいなくなったら、チームの商業的価値は大幅に低下する可能性がある」と指摘。リカルドの解雇によって巨大スポンサーを失うという最悪のシナリオが、現実のものとなりつつあるのだ。 　これまでもリカルド解雇によるスポンサーの撤退危機は指摘されてきたが、具体的な動きが報じられたのは初めて。下降線のレッドブルが巨大スポンサーまで失う事態になれば、チームは一気に崩壊危機に直面しそうだ。