「えっ、また値上げ…」まだ上がる!? 自動車保険料が年々アップする2つのワケ
2024年8月、大手損害保険各社が自動車の保険料を数%程度値上げすることを示唆した。東京海上日動火災保険/あいおいニッセイ同和損害保険/三井住友海上火災保険のほか、旧ビックモーター社の事件に関連して引き上げを見送っていた損害保険ジャパンも、今回は値上げに踏み切るという。各社が値上げに言及する、そのおもな理由とは? また、この動きは来年以降も続くのだろうか?! 【画像】樹脂パーツの白アセ劣化をお手軽メンテで簡単に解消!
保険料引き上げのおもな理由は「2つ」
そもそも、なぜ保険料が値上がりするかというと、保険各社の“保険料の支払いが急増している”からだ。交通事故増加などで支払いが増えれば、各社の収支は当然悪化する。これに加えて、近年続いている“物価高”もおもな要因に挙げられる。 もはや当たり前のように聞く物価高だが、これは自動車本体や関連の部品にも波及している。事実自動車の本体価格について、フルモデルチェンジまたはマイナーチェンジなどのタイミングで、値上がりを実感しているはずだ。 具体的に自動車保険適用による修理を想定してみると、クルマの部品代/光熱費/板金塗装に使う原材料/人件費(時間あたりの工賃)といった項目が、軒並み値上がりしている。それらを保険で賄っていれば、必然的に保険会社の負担額が芋づる式に増えてしまう。 つまり交通事故増加などで“支払う件数”が増え、物価高により“支払う金額”も増加。結果として保険料の値上がりにつながってくる、というわけだ。
任意保険に加入しているだけで保険料が増える?!
「自動車保険(任意保険)には加入しているけれど、自分は使ったことがない。それなのに値上げ分を負担するのは納得がいかない」といった心境になる方がいても、不思議ではないと思う。 毎月または年単位で払っている保険料は基本的に“かけ捨て”だ。基本的に使わないに越したことはないが、莫大な修理費用や賠償責任が発生した“もしも”の場合に備えて契約しておくのが、自動車保険(任意保険)だ。 かといって「使いもしない自動車保険(任意保険)の支払いがさらに増えるのなら、いっそのこと解約も検討する」と考えるのは、さすがに本末転倒だろう。保険を解約したとたんトラブルが起こる、なんてことも可能性としてはありうる。そもそも“いざというときのための備え”のための保険である以上、ここは割り切るしかないだろう、というのが筆者の意見だ。