市公式キャラの歌募集、「ただごとじゃない」熱意に驚き 広島のファン主導で制作進む、福井県坂井市「坂井ほや丸」
「ほやほや うらは坂井ほや丸♪」-。2024年3月に誕生した福井県坂井市公式キャラクター「坂井ほや丸」の歌の制作が進んでいる。企画を主導したのは市ではなく、広島県のファン。交流サイト(SNS)で全国のファンからほや丸や坂井市に関する歌詞と参加者を募り、コーラスを収録した。ファンの熱意に、市の担当者は「ただごとじゃない、積極的でパワーある応援でうれしい」と驚き、喜んでいる。 ご当地キャラファンの会社員兼作曲家きりん(本名・栗本裕之)さん(42)=広島県=は、これまで四国、東北の3キャラの曲を自主制作し、応援の思いを表現してきた。昨年5月、「またキャラソング作りたいなぁ」とX(旧ツイッター)に投稿したところ、制作仲間のたんば(本名・谷村由里子)さん=大阪府=が、ほや丸の曲作りを提案。X上でのやりとりを見ていたほや丸から「なんでもやるざ」と返信があり、企画が始動した。 昨年6~7月、SNSで歌詞を募集すると全国20人ほどから丸岡城や越前がになどのフレーズが寄せられた。8月、アイデアをもとに作詞。ほや丸らしさを出す福井弁の添削は、市職員の協力を受けた。 「高いところは苦手やけど 東尋坊は大好きやざ」 「甘エビにおろしそば ひってうまいものあるでの」 「つらいこと いやなことは ほや丸がもろて なげたげっさ」。 明るく、軽やかなメロディーを付け、たんばさんがコーラスの作曲を担当した。 コーラス収録は昨年12月10日、市たかむく古城ホールで行った。きりんさんの呼びかけで市内外から子ども、学生、社会人約30人が参加。緊張しながらも、楽しげなリズムに乗って歌声を合わせた。きりんさんは「現地で、ここまで大がかりな収録は初めて。関わってくれたたくさんの人、完成した曲を聴いた人たちが自分の曲のように思ってくれたらうれしい」と話している。 今後、メインボーカル、マリンバ演奏の収録を行う。曲「ほやほや 坂井ほや丸やざ☆」は年度内に完成、きりんさんのユーチューブチャンネルで公開する予定。