昨年の南部杯を大差で圧勝したレモンポップ（岩手県競馬組合提供）

［ＪｐｎＩマイルチャンピオンシップ南部杯＝２０２４年１０月１４日（月曜）３歳上、盛岡競馬場・ダート１６００メートル］ 　岩手競馬最高峰のレース、マイルチャンピオンシップ南部杯がいよいよ１４日に行われる。昨年はレモンポップが圧倒的１番人気に応えて優勝。２着イグナイターに大差をつける衝撃の圧勝だった。 　連覇を狙うそのレモンポップ（牡６・田中博）が中心だ。国内のレースでは昨年から負けなしの５連勝中。前走のＪｐｎⅠさきたま杯でも、トリッキーな浦和１４００メートルのコースを攻略して連勝を伸ばした。ワンターンの盛岡１６００メートルに替わるのは間違いなくプラス材料。追い切りの動きがいまひとつだった点は気掛かりだが、１２日に坂路で時計を出して上積みを図った。大きく崩れることは考えにくい。 　ペプチドナイル（牡６・武英）が打倒レモンポップの筆頭格になる。２月のフェブラリーＳでは重賞初勝利がＧⅠ制覇という快挙をやってのけた。次走のＪｐｎⅠかしわ記念でも、苦手の不良馬場ながら３着と健闘。着実に地力をつけているだけに、良馬場で本領発揮できればレモンポップをゴール寸前でかわす場面があってもいい。 　タガノビューティー（牡７・西園正）は前走のさきたま杯でレモンポップから０秒６差の４着と後塵を拝したが、最後は確実に脚を使ってくるだけに侮れない。レモンポップがハイペースの競り合いに巻き込まれるようだと、無欲の末脚勝負にかけるこの馬の出番だ。 　近走の充実度でいえばダイシンピスケス（牡６・森秀）も負けてはいない。ここ６戦で１着３回、２着３回とオール連対。仁川Ｓでオープン初勝利を挙げ、続くＪｐｎⅢ白山大賞典では２着と２勝クラスでの長い足踏みがうそのような快進撃だ。久々のマイル戦で流れに乗れるかがカギになる。 　昨年の南関東３冠馬ミックファイア（牡４・渡辺和）は復活が待たれる存在。昨年のＪｐｎⅠジャパンダートダービーでは同世代のＪＲＡ勢を相手に圧巻の走りで快勝したが、古馬が相手になってからは苦戦を強いられている。今回は放牧明けのフレッシュな状態。調教の動きにも調子の良さが感じられるだけに、上位争いに加わっても何ら不思議ではない。 　サヨノネイチヤ（牡５・坂井英）は通算１５戦で＜１２・２・０・１＞の安定感。３着以下に敗れたのは今年のＪｐｎⅠ帝王賞の５着のみだ。近走は長い距離を使われており、マイルに戻るのがどう出るかだが、ダノンレジェンド×オレハマッテルゼという配合からは、適応する下地も感じられる。 　兵庫のアラジンバローズ（セン７・新子雅）は前走のＪｐｎⅢサマーチャンピオンでＪＲＡ勢を破り、ダートグレードレース初勝利。勢いに乗っており、昨年２着だった僚馬イグナイターに続く快走が期待される。 　相手が強力なだけにヒロシクン（セン５・佐藤雅）、ボウトロイ（牡６・菅原勲）などの地元勢には試練だが、なんとか見せ場をつくりたいところだ。