帽子目深にバケツ持つ人物、防犯カメラに映る ススキノ火災1週間
札幌市の繁華街・ススキノの雑居ビル火災で、意識不明となった男性(41)がビルに入った直後にガソリンのような液体に火を付けたとみられることが、関係者への取材で判明した。また、事件直前には男性がSNSで放火を予告するような投稿をしていたとみられることも判明。発生から3日で1週間を迎え、事件に至るまでの経緯が少しずつ明らかになっている。 【写真で見る】周辺を封鎖、騒然 ススキノ火災 関係者によると、現場となったガールズバー付近の防犯カメラには、男性とみられる人物がふたのついたバケツを持って帽子を目深にかぶり、徒歩で建物に入る様子が映っていた。その2~3分後、大きな爆発音がしてガラスが割れ、建物内にいた人が次々に避難してきたという。 関係者は映っていた人物について「怪しい様子はなく、ためらわずに中に入っていった。この建物は普段から清掃や内装の業者の出入りが多く、不審者とは気づかれにくかっただろう」と話す。 出火の約10分前には、男性のものとみられるアカウントからX(ツイッター)に「楽しいことするよ」と投稿があり、北海道警が関連を調べている。 また、捜査関係者によると現場周辺からは男性のものとみられる車が見つかったことも判明。車内にはガソリンが入った携行缶が残され、事件直前にガソリンを購入したレシートも発見された。 ガソリンの容器での販売は、2019年の京都アニメーション放火殺人事件後に規制が強化された。店側には客の身元や使用目的などの確認が義務付けられており、男性が使用目的などを偽って購入した可能性もある。 火災は11月26日午後3時20分ごろ、札幌市中央区の6階建て雑居ビルの2階から発生。負傷した従業員の20代女性は男性との別れ話を巡るトラブルを道警に相談していたことが明らかになっており、道警は男性の回復を待って動機の解明を目指す。【後藤佳怜】