<独自>万博パソナ館 26年3月、淡路島に移設 「未来の眠り」展示も発表
来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博でパソナグループが出展するパビリオンについて、閉幕後、同社が兵庫県淡路島の北部に26年3月ごろ移設する計画であることが30日、分かった。万博で展示する人工多能性幹細胞(iPS細胞)の心臓モデルや、生命の進化を表現した「生命進化の樹」もそのまま移し、一般公開する。 同グループ首脳が産経新聞の取材に明らかにした。国内勢のパビリオンで、閉幕後の具体的な活用計画が明らかになるのは初めて。 25年10月の閉幕後、速やかに解体作業に入り、26年3月ごろ、本州と淡路島をつなぐ明石海峡大橋を望む淡路市への移設に着手する計画。同市岩屋地区が有力という。付近ではインバウンド(訪日客)需要を見込んだ同グループのホテルが25年8月に開業予定で、パビリオンと合わせて観光拠点とする方針だ。 同グループが万博に出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE(ネイチャーバース)」は、アンモナイトのような、らせん状の外観が特徴。万博の中でも目玉の一つとされる拍動する「iPS心臓」のほか、生命の進歩をたどる高さ約8メートルの「生命進化の樹」などが見どころとなっている。 一方、同グループは30日、万博期間中にパビリオンで「未来の眠り」をテーマにした展示を行うことを発表。電子部品メーカーのミネベアミツミが手がける、寝ている人を眠りのメカニズムに基づき最適な眠りに誘うベッド2基を設置。ベッドは寝ている人の呼吸や心拍数、体重移動をセンサーで感知し、ベッドが傾いたり、心地よい香りや音楽が流れるという。 同グループの南部靖之代表は記者会見で「ウェルビーイング(心身の健康や幸福)産業に取り組みたい」と語った。(井上浩平)