“20年に一人の逸材”宗山VS“ドラ7からの叩き上げ”村林が楽天にもたらすもの
杜の都に待望のスター候補が入団した。「20年に一人の逸材」といわれる明大の宗山塁内野手(21)だ。5球団競合の走攻守3拍子そろった遊撃手は、23年まで守護神の松井裕樹(現パドレス)が背負った背番号1を与えられた。今春には大学生ながら侍ジャパンのトップチームにも選出。希代の名手である西武・源田も「凄くうまい。頭を使ってやっている」と一目置くなど、次世代の侍ジャパンを担う存在としても期待されている。 「大学4年間ずっとショートで出ていたのでこだわりはもちろんあります」と話すスーパールーキー。それでも遊撃のレギュラーをつかむのに避けて通れないのが、ライバルの存在だ。今季135試合に遊撃でスタメン出場した村林は、15年ドラフト7位入団の叩き上げ。高卒8年目の昨季、遊撃で73試合にスタメン出場して頭角を現した苦労人だ。オフには憧れていた守備の名手、藤田一也氏の背番号6を継承した。 ドラフト会議を見ていたという村林。宗山について「(当たりくじを)引くような気がしていた。同じチームに入ってきたのは何かの縁。僕も学べるところはあると思うので自分のレベルアップに生かしたい」と口にした。激しい遊撃争いに敗れたものが、二塁あるいは三塁といった内野の他ポジションに回る可能性もあり、そうなればさらなるレギュラー争いに発展する。 宗山と同じく「大卒遊撃手」の逸材としてプロの門を叩いたのが鳥谷敬氏だった。04年に早大から阪神に入団。前年に遊撃のレギュラーとして打率・301をマークし、18年ぶりの優勝に貢献した藤本との遊撃争いが注目された。開幕戦は鳥谷がスタメンに抜てきされたが、開幕6試合目で藤本がその座を奪い返し、同年は藤本が93試合、鳥谷が45試合のスタメン出場だった。翌05年は藤本が二塁へコンバートされ、鳥谷は遊撃に固定。新二遊間としてV奪回を果たした。 2025年。宗山VS村林の熾烈(しれつ)な遊撃バトルは、どのような決着を迎えるのだろうか。ただ、チームの新陳代謝を促すことだけは間違いない。(記者コラム・花里 雄太)