三陸のサケの“未利用部位”を活用~幾度もの苦難に見舞われた水産加工会社 しょうゆ店とのタッグで生まれた新商品で前へ!
浅沼さんと金子さんの出会いは3年ほど前。 年々減少する水産資源を有効活用しようと意気投合し、タッグを組んだ2人は2年ほどかけてしょうゆの開発を進めてきました。しかし・・・ (金子太一社長) 「いざお披露目の話が進んでいて、直前(2023年)5月27日に弊社の作業場と工場が工場火災を起こしてしまい、焼失してしまった」 東日本大震災にコロナ禍、原油高や物価高騰に漁の不振など、様々な困難に直面してきた金子さんに、さらなる苦難が立ちはだかります。 (金子太一社長) 「妻にも支えられ、子どもたちにも支えてもらって、父親として夫として会社の代表としてこのままじゃいけないなと」 前を向く金子さんを浅沼さんも支えました。 (浅沼宏一社長) 「(金子さんの)『自分には水産をなんとかするというところで生きていくしか道がない』と立ち直っていく姿を間近で見ながら、心強く勇気をもらった」 (金子太一社長) 「魚に付加価値をつけて売るという高付加価値化をずっと進めてきたのもあったので、あきらめるわけにもいかない。この『鮭醤』という商品は魚屋の復活ののろしになるような商品だと思っている」 サケのしょうゆを造るに当たって苦労したのは、サケ特有の生臭さです。 浅沼さんは、脂の少ない中骨と頭を厳選して使うことで臭みを抑えました。また、発酵の温度に時間、麹の割合を変えながら、およそ300通りの造り方を試し、最も臭くならない製法を選びました。 完成したのは濃厚な味わいの「濁りタイプ」と、ろ過して作った「クリアタイプ」の2種類です。 シンガーソングライターの松本哲也さんが経営する盛岡市内の飲食店で、この鮭醤(サケのしょうゆ)の説明会が行われました。 「えらや内臓といった普段廃棄していてる場所とはいえ、鮮度のいいものを厳選して使用している。本当にサケの味しかしません。サケしか使っていないので」 説明会では「鮭醤」を使って作った汁物などが振舞われました。