トランプ前大統領が“独走”…なぜ 「米大統領選」共和党の候補者選び 【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
「米大統領選 トランプ氏独走?」 4年に1度のアメリカ大統領選挙にむけた野党・共和党の候補者選びが日本時間の16日に始まりました。 アメリカメディアはトランプ前大統領が勝利したと報じ、トランプ氏は勝利宣言をしました。 共和党 トランプ氏(77) 「バイデンはアメリカ史上最悪の大統領で国を破壊していると言わざるを得ない。(大統領選で)我々が国をとり戻し、アメリカを再び偉大にするのだ」 そこで16日のポイントはこちらです。 ◇トランプ氏 人気健在のワケ ◇高齢者対決 再び?
■本選は11月…長い道のりを解説
まずは、次の大統領が決まるまでの道のりを改めて確認します。 今年の11月5日に大統領選挙の本選があります。このゴールまでにはとても長くて複雑な道のりがあります。 まず前半戦は、民主党、共和党それぞれの党の候補者を選んでいきます。その初選が今回でした。共和党はアイオワ州で党員集会(1月15日)。民主党は、バイデン氏が実質的に2月3日に行われるサウスカロライナ州の予備選から登場し、各州で予備選や党員集会が行われていきます。 民主党に関しては、現職のバイデン氏以外に有力な候補がいないので、候補は事実上、決まっているようなものです。 前半戦の山場が3月5日の「スーパーチューズデー」です。毎回この時期の火曜日に多くの州で候補者選びが一斉に行われます。こういうプロセスを踏んでいくうちに、勝つ見込みがない、資金が続かない候補者は撤退して順次絞り込まれていきます。 7月に共和党、8月に民主党が党大会を開いて候補者を決定し、その人が党の候補に指名されます。 その人たちが今度は全国の有権者を相手に遊説したり討論会を行うなどして支持を訴え、やっと11月5日に本選が行われて大統領が決定します。
■初選圧勝…要因は
共和党はトランプ氏の他にどんな候補がいたのか。主な候補を見るとヘイリー元国連大使、フロリダ州のデサンティス知事がいます。トランプ氏にとっては、初戦のアイオワ州の党員集会で事前の予測通り圧勝したので勢いに乗っていくのではないかとみられています。 現地にいるワシントン支局の山崎大輔支局長と中継がつながっています。山崎支局長にトランプ氏の圧勝の理由について聞いてみました。 山崎大輔ワシントン支局長 「トランプ氏ですが、圧倒的な知名度と岩盤支持層で、他の候補を全米での支持率で圧倒していました。これに加えて、初選で圧勝して一気に流れをつくるため、アイオワ州での選挙活動にも力を入れていました。地域に責任者を置いて、過去の大統領選のデータを活用して、今回は組織だった選挙活動を行ったことが圧勝した要因の1つと言えます」 ――トランプ氏は様々な裁判を抱えていますが、これが選挙戦にどの程度影響しそうですか? 山崎大輔ワシントン支局長 「トランプ氏は4つの刑事事件で起訴されていて、裁判と選挙戦が並行して進む異例の展開になっています。しかし、『バイデン政権の政治的迫害だ』と裁判で被害者を演じることで共和党内の支持を集めていて、むしろトランプ氏は裁判をアピールの場に使っているといえます。NBCなどが党員集会の会場で行った調査では、『トランプ氏が裁判で有罪判決を受けても大統領にふさわしい』と回答した人が64%にのぼりました。共和党内では、裁判はほとんど影響がないといえますが、裁判で有罪判決が出れば、無党派層の支持は急落するという指摘もあります。バイデン大統領との本選で勝利するためには、この無党派層や共和党内の穏健派の支持が必要ですが、彼らの支持を得られるかは不透明な状況です」