トランプ前大統領が“独走”…なぜ 「米大統領選」共和党の候補者選び 【#みんなのギモン】
■共和党ではなく「トランプ党」? バイデン政権に不満をもつ民主党支持者も
トランプ氏の独走状態がどのように生まれたか。いくつか説明はありましたが、前回大統領になったときとはどう違うのか。かなり様相が異なっています。 共和党内では、かつて存在感があった穏健派と呼ばれる人たちがめっきり減ってしまいました。むしろトランプ氏よりも過激な言動で支持を得る政治家が増えていて、もはや共和党じゃなくて「トランプ党」と言う人も出始めています。
一方、民主党支持者の中でもバイデン政権へ不満を持つ人は結構いて、その理由の1つが物価上昇です。これによって経済格差がさらに拡大していること。もう一つ、実はトランプ政権時代の間には、表面的には外交上のアメリカにとっての深刻な問題は意外と少なかったんです。一方、バイデン政権ではウクライナ侵攻やパレスチナ情勢など、アメリカが一方の後ろ盾となって肩入れしているのに解決の道筋が見えないことが相次いでいて、こういう内政、外交に不満を持つ人が、トランプ氏なら昔ながらの秩序をぶち壊して変えてくれるんじゃないかと期待している動きもあります。
■過去にバイデン大統領を「老いぼれ」と揶揄も…
もう1つのポイント「高齢者対決 再び?」を見ていきます。 このままいけば、バイデン大統領とトランプ前大統領の再対決になる可能性が高くなってきます。バイデン氏が再選すると、就任時は82歳で自らの最高齢記録を更新することになります。4年前、前回対決したときにトランプ氏はバイデン氏のことを「老いぼれ」などと言って揶揄(やゆ)していましたが、今は自分も当時のバイデン氏と同じ年になっています。 任期が終わるとき、バイデン氏は86歳、トランプ氏82歳になります。どちらもかなりの高齢になります。
それでもトランプ氏は大統領返り咲きを目指していますが、実は簡単なことではありません。 今のアメリカの大統領のバイデン氏は46代目ですが、これまでにいったん退いたのち、返り咲いた大統領はいたでしょうか。 実は1人います。19世紀に22代目の大統領を務めたグローバー・クリーブランド大統領です。この人は選挙で敗れて、その次の選挙の1892年に勝利して返り咲きました。連続していない2期を務めた唯一の例です。返り咲きの例はこれ以降ありません。 普通は4年、8年と時間がたつうちに新しい期待される人材が出てきて次の人に託すというものですが、今の状況を逆にみると、アメリカ政治の歴史上まれな、若い世代の人材難の選挙と言えるかもしれません。 ◇ この先約10か月続くわけですが、長丁場の選挙戦、途中何があるかわかりませんので随時解説していきます。 (2024年1月16日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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