<#わたしの新庄・3回目のセンバツへ>/20 縁の下の力持ち 石田琉星学生コーチ(2年) /広島
練習の指示や準備をする「学生コーチ」になったのは、昨夏の新チーム発足の少し前だ。「選手としてやりたい気持ちもあったが、中途半端では務まらない」と決意し、同世代の部員を鼓舞する。 廿日市市出身。小中では二塁手のスタメンとして試合に出ることもあった。甲子園に春夏計3回出場していた広島新庄に憧れて入学。背番号をもらう同学年の選手もいたが、「一生懸命食らいついていけば、いつか努力は報われる」と練習を怠らなかった。 コロナ禍に伴う臨時休校明けの2020年6月中旬、宇多村聡監督らから学生コーチへの転向を打診された。両親に電話で相談し、「やりたい方向にやれ」と父に後押しされ、約1カ月間悩み抜いた末に引き受けた。 掲げた信条は「縁の下の力持ち」。指示や準備で練習を円滑に進め、選手寮では平日は午前7時に起床し、30分後の登校に間に合うようアナウンスをする。試合では記録員として前打席の結果などを伝えて選手に安心感を与える。 当初は座っていたが「声が通りやすいように」と立って記録を付けるように。「チームのために動くことは大変だが、それだけ重要なポジション。一つでも多く勝てるようにしっかり全力で取り組みたい」。家族のように仲の良いチームメートと一丸となって優勝を目指す。お勧めの楽曲は男性歌手・優里さんの「ドライフラワー」。【中島昭浩】=つづく