80代母親が保有する「1億円」もの株…50代息子が驚愕した、その「高すぎる相続税」
評価の違いが節税になる 「現金」vs「不動産」
▽「現金」は額面どおり 相続財産の価額は、相続開始の時の時価で評価をすることになっています。つまり、相続及び遺贈で取得した財産の評価は、亡くなった日現在の価額となります。 預貯金は、金融機関に預けてある残高がそのまま財産評価となります。普通預金や通常貯金は、相続日の残高がそのまま評価額になりますが、定期預金や定期郵便貯金など貯蓄性の高いものは、預入額に課税時期現在の既経過利子を加えた額となります。 このように、現金・預金は、亡くなった日の残高が財産の額となり、特に預金は金融機関の残高証明書で確認をしますので、その額からは1円も減らすことはできません。むしろ、家族名義の預金も相続財産として増えることもあるかもしれません。 ▽「不動産」は貸すことで評価が下がる 現金・預金に比べると、不動産の評価の仕方は複雑です。土地の評価は、路線価方式と倍率方式があります。建物が建てられる地域はたいていが路線価方式で、時価の8割程度だとされています。これだけでも評価が下がるのです。 さらに、土地の使い方によっても評価の割合が変わってきます。 自宅や貸し駐車場など自分で使っている場合は「自用地」として100%評価をします。土地を貸している「貸宅地」の場合は、土地は自分のものでも、建物は借地人が建てており、すぐに明け渡してもらうというわけにはいきませんので、自用地評価より借地人の持っている借地権割合を引いて評価をします。借地権割合は地域により定められて30~90%です。 自分の土地に、自分名義で、賃貸アパートやマンションを建てている場合、その土地は「貸家建付地」となり、自用地評価より借地権割合と借家権割合を掛けた分を引きます。自分の土地に子供などの親族が建物を建てて住んでいることがありますが、地代をもらっていない場合は、「使用貸借」となり、「自用地」と同様の100%評価になります。 建物は固定資産税評価で評価をしますが、実際にかかった建築費の時価の40~60%の評価となります。それを貸していれば、借家権を引いた70%で評価をするようになります。このような評価の仕方の違いをうまく利用して、評価を下げて節税を引き出すのです。 Tさん親子が出した結論は【相続対策で「1億円分の株」を「分譲マンション」に変えた80代女性…悠々自適の「家賃収入」生活へ】から。
曽根 恵子(相続実務士・株式会社夢相続・代表取締役)