77歳の飛行機「DC-3」へ潜入 今もなお現役で飛べる理由は
操縦室は昔からのものと最新の機器が
そして、操縦室はレバーやコントロール装置は製造当時のままのものもあるが、計器類、パネルなど航空電子機器がアップグレードされ、こうした世界飛行も可能となっている。
また、1950年代から60年代にかけ、全日空(ANA)が主力機として採用。さらに、同機就航に伴い、キャビンアテンダントを採用したという。中村さんによると「このDC-3は日本にもなじみがある。今度行く福島県では、実際にそのころに乗務していた方も来られるそうです」と語る。
尾輪式のため、地上ではお尻の下がった斜めの姿勢
DC-3は製造当時としては珍しい全金属製で、尾輪式のため、地上ではお尻の下がった斜めの姿勢となっている。搭乗口から客席までは、ボールを置いたら十分に転がりそうな坂となっている。 座席の配列は胴体が太く客室は3列配置だが、2列×2列で30席まで用意できる。ただ、今回はワールドツアーに伴い、長距離飛行に備えて補助燃料タンクを積み込む予定があるため、中央の座席を取り外し、14席しかない状態だという。 筆者は19日の体験搭乗に参加。機内に備え付けられているレトロ感のある座席に腰掛け、飛行機にしては大きく四角い窓の枠は木製。筆者は今回、窓際の席ではなかったが、十分に外の景色を楽しめる雰囲気だ。
大きなエンジン音とともに青空へ
神戸空港を飛び立つ際は、展望デッキに多数の見物人がいるのが目に入り、この飛行機がいかに貴重であるかをさらに実感。大きなエンジン音とともに座席に心地よい振動が伝わると同時に、一気に大空へ飛び立った。 ちょうどプロペラのそばの席だったためエンジン音はかなり大きく聞こえたが、逆にその状態で乗っているからか、青空のもと空と海を見渡すとクラシック飛行機に搭乗している充実感を味わえた。 同日朝には、地元の「神戸海洋少年団」の団員である子どもたちも搭乗体験を行ったが、神戸市の平原匡人さん(9)は「急に上がるところが楽しかった。京セラドーム大阪とかUSJ、大坂城も見えた。音は大きくて揺れた。また乗ってみたい」と、うれしそうに話していた。